人手不足/「新型コロナ」影響で4年ぶり3割台、スーパー・小売は不足傾向
2020年08月27日 16:10 / 経営
帝国データバンクは8月25日、「人手不足に対する企業の動向調査」(2020年7月)の結果を発表した。
調査期間は2020年7月16日~31日、調査対象は全国2万3680社で、有効回答企業数は1万1732社(回答率49.5%)。雇用の過不足状況に関する調査は2006年5月より毎月実施しており、今回は2020年7月の結果をもとに取りまとめた。
<従業員が「不足」している企業の割合>
※(C)TEIKOKU DATABANK, LTD. (以下同)
正社員不足は30.4%、非正社員不足は16.6%。ともに「過剰」の割合が大幅に増加した。
また、人手不足割合を月次の推移でみると、新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が発出され経済活動が停滞した4月に、正社員の人手不足割合は大幅に減少した。
緊急事態宣言が続いた5月もさらに減少し、5月25日の全国解除を経て6月以降も3割前後で推移している。非正社員も、4月以降はほぼ横ばいが続いている。
■正社員が不足している企業は30.4%
正社員が不足している企業は30.4%(前年同月比18.1ポイント減)となった。
7月としては4年ぶりの3割台となり、人手不足割合は大幅に減少している。
業種別では「建設」(51.9%)が最も高く、「メンテナンス・警備・検査」「教育サービス」「農・林・水産」など7業種が4割台で続いた。
上位となった10業種中で8業種は人手不足割合の大幅な減少がみられるなか、「教育サービス」と「各種商品小売」の2業種は増加した。
また、人手が「過剰」とした企業は22.9%で同13.6ポイント増となるなど、企業の過不足感は大きく変化している。
規模別にみると、「大企業」(36.9%)は前年同月比22.4ポイント減少となり、全体より減少幅が大きい。「中小企業」は28.9%(同 17.0 ポイント減)、「小規模企業」は30.3%(同11.8ポイント減)となり、いずれも10ポイント以上減少した。
■非正社員「小売」「飲食」で不足傾向
非正社員では、企業の16.6%で人手が不足していた(前年同月比13.2ポイント減)。
2013年2月(16.6%)の水準まで減少している。業種別ではスーパーマーケットを含む「各種商品小売」が47.6%(同14.6ポイント減)で最も高い。
続いて、「教育サービス」「飲食店」「飲食料品小売」「娯楽サービス」などとなっている。
人手不足割合が高かった「旅館・ホテル」は、新型コロナウイルスの影響で大きく変化し、人手が「過剰」とする割合は正社員・非正社員ともに全業種中で最も高くなり、1割台で横ばいの推移が続いている。
これまで人手不足の割合が1位で推移してきた「飲食店」では、2020年1月時点の76.9%から緊急事態宣言が発出された4月に大きく減少して16.4%となり、この間60.5ポイントの減少となった。
緊急事態宣言が2020年5月25日に解除され徐々に客足が戻ったこともあり、7月は51業種中4番目に高い人手不足割合となった。
企業規模別にみると、「大企業」(36.9%)は前年同月比22.4ポイント減少となり、全体より減少幅が大きい。
「中小企業」は28.9%(同17.0ポイント減)、「小規模企業」は30.3%(同11.8ポイント減)となり、いずれも10ポイント以上減少した。
■問い合わせ先
帝国データバンク
データソリューション企画部 産業データ分析課
TEL:03-5775-3163
E-mail:keiki@mail.tdb.co.jp
流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。