スターバックス/10月末に直営350店の電力を再生可能エネルギーに切り替え
2021年05月18日 13:30 / 経営
スターバックス コーヒー ジャパンは5月18日、店舗で使用する電力をCO2(二酸化炭素)排出量ゼロの100%再生可能エネルギーへの切り替えが、直営店301店舗(北海道、東北、沖縄を除く)で4月末に完了し、10月末には北海道、東北、沖縄を含めた国内の約2割となる直接電力契約が可能な路面直営店の約350店舗で切り替えが完了すると発表した。
再生可能エネルギーへの切り替えは、2月にオープンした「スターバックス コーヒー 狭山市入間川にこにこテラス店」を皮切りに開始した。
電力の供給先は、スターバックスが掲げるコミュ二ティへの貢献に基づき、地域の電力を地域の店舗で循環できることを軸に選定。環境に配慮した発電方法、地域の雇用の創出、地域課題の解決につながる活動を実施している電力といった点を重視した。
具体的には、地域ごとで、みんな電力、中部電力ミライズ、北陸電力、関西電力、ローカルエナジー、中国電力、四国電力、九州電力といった電力会社を通じて電力を選定。
農業と自然エネルギー発電を同時に実現し、休耕地削減になるソーラーシェアリングや未利用の間伐材などを活用して地域の森林を豊かにする発電、災害時に非常用電源として活用できる仕組みを備えた電力、地域の学校に還元・活用など地域貢献につながる電力を購入している。
<香取佐原店>
例えば、千葉県香取市の「香取佐原店」、茨城県神栖市の「神栖店」、千葉県富里市の「ベイシア富里店」、千葉県成田市の「成田美郷台店」では、千葉大学の講師と学生が立ち上げた大学発ベンチャーの千葉エコ・エネルギーが運営する「ソーラーシェアリング」による太陽光発電での電力を導入した。
<匝瑳飯塚 Sola Share 1号機>
ソーラシェアリングは、農地の上で太陽光発電を行う仕組みで、1つの土地に農業と自然エネルギー発電を同時に実現できる。スターバックスでは、みんなの電力を通じ電力を購入。電力は千葉県匝瑳市にある発電所の「匝瑳飯塚 Sola Share 1号機」から供給されている。
<徳島沖浜店>
また、徳島県徳島市の「徳島沖浜店」では、みんな電力を通じて、徳島県小松島市にある発電所の「GBバイオマス発電所」から木質バイオマス発電による電力を調達した。
木質バイオマス発電は、ガスエンジン方式で発電し、木材を砕いてチップ化し乾燥させ発電棟で燃焼時に発生する水素と一酸化炭素の混合ガスで発電機を駆動する。
<GBバイオマス発電所>
GBバイオマス発電所では、チップの素材の木材に徳島県那賀町の山林で切り出された丸太で使われない端材や山林に放置された材木を使用。そのため、過剰に森林を伐採することなく持続的に発電が可能で、CO2の排出削減と周辺の山の間伐を促進し、森林を健康な状態することにも貢献しているという。
スターバックスでは、今後は直接契約ではない商業施設など入居している店舗でも、電力の部分購入や非化石証書などで施設と連携して再生可能エネルギーの導入を模索。環境負荷の低減に向けた地域での電力調達の取り組みを検討していくという。
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