エキュート秋葉原/4月にモバイルオーダー導入、駅ホームに受取ロッカー設置も
2025年04月03日 15:14 / 経営
JR「秋葉原駅」(東京都千代田区)の駅ナカ商業施設「エキュート秋葉原」は4月、モバイルオーダーを核としたJR東日本の駅ナカ・駅ビルでの注文・受取サービス「JRE MALLオーダー」を開始する。
<福見マネージャー>
東日本旅客鉄道(JR東日本)マーケティング本部の福見恒マネージャーは「決済・レジ待ち・商品受取の時間を短縮し、タイムパフォーマンスを向上させて駅ナカの購買体験を進化させる。エキュート秋葉原では、支払方法のオールキャッシュレス化に加え、モバイルオーダーを核とした注文受取サービス4月中に開始する」と説明した。
<JRE MALLオーダー/マルチエキューブ導入>
エキュート秋葉原では、JR東日本管内の駅ナカ商業施設として初めて、施設内での支払方法のオールキャッシュレス化を実現。駅ナカでのスピーディーな買物を可能にしている。
4月中には、秋葉原駅が初実装となるJR東日本の新サービス「JRE MALLオーダー」の店頭受取を開始。対象商品を事前に注文・決済の上、受取日時を指定することで、店頭でスムーズに商品を受け取ることができるようになる。詳細は後日、告知予定だという。
商品受取時間のさらなる短縮を図るため、10月以降、秋葉原駅3階の5番線ホーム(中央・総武線各駅停車)に、多機能ロッカー「マルチエキューブ」を試験的に設置し、エキュート秋葉原の商品が受取可能になる。
福見マネージャーは「秋葉原駅(3階)で乗り換えのお客様が、1階のエキュート秋葉原に立ち寄らず、移動の動線上でスピーディに買物できるようになる」と話す。
オールキャッシュレス化、モバイルオーダー対応、駅ホーム内ロッカーの3本柱で、秋葉原駅利用者のタイパニーズに応える。利便性を高めることで、休日のビジターのみならず、平日のオフィスワーカーも取り込んでいく。
<秋葉原駅のリニューアル図>
なお、JR東日本グループでは、人の生活における「豊かさ」を起点として、リアルの交流拠点である駅の強みを活かしながら駅空間の配置と機能を変革中。駅を「交通の拠点」から「暮らしのプラットフォーム」へと転換する「Beyond Stations構想」を推進している。
モデル駅の「秋葉原駅」では2024年4月、駅型ショールーミングスペース「AKIBA”CAP”」を開業。第1弾の出店者として、スマートフォン向けゲームなどを手掛けるYostarのオフィシャルショップが営業している。2025年4月7日には、エキュート秋葉原に加え、駅型イマーシブメディア「AKIBA WARP」も開業する予定だ。
<デジタルサイネージで地元の情報発信>
※写真は2日撮影。エキュートの開業告知を放映していた
駅構内に縦約1.8m×横1.0mの等身大サイネージを8本の柱に4面ずつ、計32面配置した。「新幹線の高架橋エリアの柱を活用した。天井が低い空間の特徴生かして柱の周りにサイネージ整備する。空間全体を装飾し、没入空間を作り出すとともに街の魅力を発信する映像も放映する。お客様と企業、街をつなぐ」と福見マネージャーは語る。
躍動感のあるコンテンツ放映とともに、千代田区観光協会とも連携。千代田区の街を発信する。訪日観光需要の高い秋葉原駅で、千代田区を代表する観光スポットを紹介することで、観光などの移動需要も喚起していく。
秋葉原駅で導入するオールキャッシュレス化を始めとした対応だが、他施設での導入については未定だ。
水平展開について福見マネージャーは「JRクロスステーション様と相談しながら決めることだと思うが、人手・従業員の不足など、さまざまな社会課題を解決するには意義のある取り組みだ。ご利用されるお客様がキャッシュレスで買物して頂く際に、レジ待ちや決済が速くなるなど良いことがたくさんある一方で、現金で買物したいお客様もいる。さまざまなデータマーケティングの中で秋葉原でやると決まった。だが、周辺環境を鑑みてオールキャッシュレス化した方が良いという施設もあるし、まだ時期尚早という場所もある。秋葉原の取り組みをしっかり振り返りながら、今後どういう場所で導入するのか、一緒になって検討していきたい」と語った。
■エキュート秋葉原
開発運営:JR東日本クロスステーション デベロップメントカンパニー
開業日:2025年4月7日
施設所在地:東京都千代田区外神田1 JR秋葉原駅1階(改札内)
店舗面積:約900m2
店舗数:24ショップ(内1店舗は催事区画)
取材・執筆 古川勝平
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