ファーストリテイリング 決算/9~11月売上10.4%増、海外ユニクロ好調継続
2025年01月09日 18:10 / 決算
ファーストリテイリングが1月9日に発表した2025年8月期第1四半期決算によると、売上収益8951億9200万円(前年同期比10.4%増)、営業利益1575億5600万円(7.4%増)、税引前利益1966億1300万円(21.0%増)、親会社に帰属する当期利益1319億6300万円(22.4%増)となった。
売上収益から売上原価と販管費を控除して算出した「事業利益」が1569億円(11.0%増)と、大幅な増収増益となっている。これは主に、国内ユニクロ事業の販売が好調だったことに加え、東南アジア・インド・豪州地区、北米、欧州のユニクロ事業の事業拡大が順調に進んだことによるという。
その他収益・費用などで、前期は為替差益が発生していた一方、今期は為替差損が発生し、46億円の減益となった。結果、営業利益が1575億円となっている。
売上総利益率は54.5%と、前年同期比0.1ポイントの低下。売上高販管費比率は0.3ポイント改善し、36.9%となった。
国内ユニクロ事業の売上収益は2666億円(前年同期比9.0%増)、営業利益は521億円(12.1%増)。既存店売上高(ECを含む)は、9月と11月が好調だったことで、7.3%の増収となっている。
9月は、夏物商品の在庫を十分に持ち、売り込みを強化。Tシャツやブラトップなどの販売が好調だった。11月は、ヒートテックインナーやカシミヤなどの冬物防寒衣料の販売が好調。加えて、40周年感謝祭も大盛況だったという。
売上総利益率は、値引率が若干拡大して0.2ポイント低下した。売上高販管費率は、人件費比率や賃借料比率が低下したことで0.9ポイント改善している。
海外ユニクロ事業の売上収益は5017億円(13.7%増)。営業利益は835億円(7.4%増)。
東南アジア・インド・豪州地区、北米、欧州は、好調な業績が継続している。
このうち北米では、カシミヤ、パフテックなどが良く売れ、増収増益だった。
加えて、テキサス州をはじめとする新規エリアにも出店し、計画を上回る売上だったという。新規エリアでの成長により、北米市場でのさらなる成長ポテンシャルを確認できたとしている。
一方、中国大陸では、暖冬に対応した商品構成や地域ごとの細かな対応が不十分なため減収減益に。香港と台湾は、若干の減収、大幅な減益だった。
ジーユー事業の売上収益は906億円(3.1%増)、営業利益は98億円(20.2%減)。
今秋から打ち出したバレルレッグジーンズが好調だったが、気温に左右されないマストレンドのヒット商品が十分に無かったことや、売れ筋商品が欠品したことで、既存店売上高は前年並みに留まった。
利益面では、売上総利益率が低下。売上高販管費比率が上昇したことで、大幅な減益となっている。
今後は、国内ジーユー事業の立て直しを最優先に、マストレンド商品の開発強化や年間定番商品の数量計画と販売計画の精緻化、売れ筋商品の欠品抑制、情報発信の強化・店舗経営の質向上などに取り組んでいく。
グローバルブランド事業の売上収益は357億円(2.4%減)、営業利益は18億円(373.3%増)。
セオリー事業が販売に苦戦して減収となった一方、セオリー事業を含む全事業で売上高販管費比率が改善し、増益となった。
なお、セオリー事業の営業利益は、米国事業を中心に売上高販管費比率が改善したことで増益となっている。
プラステ事業は、戦略的に売り込む商品を明確にし、マーケティングと在庫を準備したことで増収。営業利益が黒字化した。
コントワー・デ・コトニエ事業は、店舗数が3割減少したことで減収。価格帯を見直した商品の販売が好調で、既存店売上高は2桁の増収となり、赤字幅は縮小している。
また、ユニクロ店舗内にある「RE.UNIQLO STUDIO」は、2024年11月末時点で22の国・地域、56店舗まで拡大した。「UNIQLO古着プロジェクト」では、既に古着のトライアル販売を「ユニクロ世田谷千歳台店」「ユニクロ天神店」で実施。そのノウハウを活かして10月、ユニクロ前橋南インター店でも古着販売を開始した。
通期は、売上収益3兆4000億円(9.5%増)、営業利益5300億円(5.8%増)、税引前利益5850億円(5.0%増)、親会社に帰属する当期利益3850億円(3.5%増)を見込んでいる。
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