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ファミチキ/お店で加工することで最高の味わいを実現

2017年06月05日 13:00 / 流通最前線トレンド&マーケティング

ファミリーマートは6月5日、看板商品のファミチキの新商品戦略を発表した「ファミチキ」を擬人化した新キャラクター「ファミチキ先輩」を投入し、新たに店舗に導入する惣菜売場「ファミ横商店街」で、再訴求する。

<島田部長>
島田部長

ファミチキなどを開発するファストフーズ部長を務める島田奈奈部長は「ファミチキは衣のスパイスだけではなく、揚げる油も独自にブレンドしている。鶏肉のサイの部分だけを使用しており、お店で加工することで、美味しさが最大限に引き出される商品に仕上げている」と語る。

現在、ファミリーマートでは3.5リッターのフライヤー2台を店舗に導入しているが、販売好調店舗では、店内調理が追いつかない店舗もあるため、今期の新店から7.5リッターのフライヤー2台を標準装備とし、既存店でもフライヤーの入れ替えを行っている。

持ち帰ることが多い商品のため、お客から温め直しについての問い合わせもあるが、家で油で揚げ直すのはお勧めしないという。

<ファミチキ>
ファミチキ

島田部長は「特別にブレンドした油を店舗に導入しているため、家庭で揚げ直すと味が変わってしまう。ファミチキは100%タイの工場で生産しているが、タイの工場で揚げたてのファミチキを食べてもそれほどおいしいものではない」という。

「鶏肉は部位ごとに味わいが異なる商材であり、どの部位を使用するのかが重要となる。ファミチキの最も良い味わいはサイの部位であり、ここまで部位を統一して、商品開発に取り組んでいるスーパーマーケットはないのではないか」と語る。

惣菜商品の販売では、スーパーマーケットを競合として捉えており、家庭でおかずとして食べられる惣菜を目指している。

<やきとり>
やきとり

新しい惣菜売場の「ファミ横商店街」では、ファミチキのほか、サークルKサンクスの売れ筋商品であった「やきとり」も看板商品として販売する。

これまで、サークルKサンクスでは、店舗に納品された鶏肉を一度、ホットプレートで温めて、店頭に並べる作業をしていたが、新しいやきとりでは、ホットプレートで温める作業を削減した。

店舗に納品された商品の封を切り、たれをかけ、レンジアップするだけで、従来の商品と同じ食感がだせる工夫をしたという。

スーパーとコンビニの惣菜の売れ行きの違いについて、島田部長は「これまでいろんな実験をしてきたが、コンビニではスーパーのような価格訴求の惣菜は売れないことが分かった。スーパーで販売しているよりもしっかりとボリューム感がある商品が支持を得ており、価格訴求ではない商品が必要だ」と語る。

やきとりの大きさは、競合のコンビニでも採用されている1本70グラムとした。炭火焼きとりもも(タレ)、同(塩)、炭火焼きとりかわ(タレ)、同(塩)を各税込128円で販売する。

実験店での販売動向では、「やきとりをランチタイムのおかずとして利用する女性もいることが分かった。やきとりの潜在需要は、まだあると考えている」という。

また、ガブうまハムカツは、スーパーで販売しているハムカツよりも肉厚の商品に仕上げ(128円)で販売する。

ファミリーマートでは、これまでチキン商材には中国産を使用しないという取り決めをしていたが、やきとりは串打ちの作業があり作業工程が多いため、今回は中国産を使用した。

親会社の伊藤忠商事と協力し、中国の加工工場を開拓した。定期的に工場の生産にも立ち会い、安全・安心を確保をしているという。

現在、鶏肉を使った商品が主力となっている理由については、「牛、豚といった鳥以外の商品もあるが、毎日、日常的に無理なく購入できる価格帯の商品という点では、鶏が一番優れている。鶏肉を中心に商品開発を進めていくが、牛、豚でもあらたな商品開発を検討している」と語った。

今後の惣菜の拡大予定については、「夏の冷やし麺と一緒に売れる商材として、天ぷらの導入を計画している。ファミ横商店街できたことで、ファミリーマートでしっかりと惣菜を扱っている認知度が高まれば、次の惣菜として天ぷらにもチャレンジできる。天ぷらでは、売れ筋上位のとり天、ちくわ天を販売する予定だ。年末に向けては、えび天の導入を検討しているが、普通に販売すると価格が上振れする可能性があり、どのような商品を投入するかは検討中だ」と述べた。

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