メルカリ/越境取引を加速、台湾に進出

2024年08月29日 14:38 / EC

メルカリは8月29日、越境取引を通じて台湾に進出した。同日より台湾のWeb版「メルカリ」で、日本から出品された商品が購入可能になる。

<迫執行役員>

メルカリは現在、74社の越境EC事業者と連携している。これまで約120の国や地域の住民が、購入代行サービスサイトを通じて「メルカリ」上の商品を購入していたが、今回の展開によりWeb版メルカリでも商品を直接購入することが可能になった。台湾は3人に1人は訪日経験があるなど、日本の商品が受け入れられやすい市場であることから今回の進出を決めたという。

迫俊亮 執行役員は「台湾は日本製品が人気の市場で、メルカリとの相性が良い。主にエンタメ・ホビー製品、レディースバッグやカメラなどが人気だ。国によっては規制があるが、台湾はルールに変更がなく、日本に近しく展開しやすい。スピード感を重視して、まず台湾に展開しようと判断した。越境パートナーとのビジネスも継続して強化し、自社との2本柱で進めていく想定だ。

海外のリユース市場では、日本で使われた商品が『USED IN JAPAN』として人気を集めている。圧倒的な強みとして、質の高さがある。日本には箱や付属品を保管しておく人が多く、海外ではあまりいないため、市場での競争力が非常に高い。アニメ・コミック・ゲーム商材のほか、日本で使われた海外のハイブランドや日本製カメラの中古品が人気を集めている」と述べた。

<画面イメージ>

台湾のWeb版「メルカリ」は、現地向けのコミュニーケーション強化のため繁体字名「美露可利(メルカリ)」を使用。現時点で使える機能は、会員登録と商品購入のみ。繁体字中国語のUIで、価格表示を台湾ドルにデフォルト設定にした。また、トラブルを防ぐべく、コメント機能を制限して出品者とのコミュニケーションが発生しないようにしている。

台湾でも近年、物価上昇が続き、節約志向が高まりからリユース品へのニーズが増加。若年層を中心に、環境意識の高まりからリユース品を選ぶ消費者が増えているという。

今後について、迫執行役員は「越境取引額の多い地域を念頭に、さまざまな国でのWeb版メルカリの展開を考えている。アプリも検討し、柔軟に開発していく。基本システムは他国でも同じものを最大限活用する。中・長期的には、海外のお客様がメルカリに出品できるようにもしたい。我々が訴求したい価値は安さではなく、各国で手に入りにくい『お宝探し』だ。国境を越えて買物する楽しさを提供する」と述べた。

<サービス開始キャンペーン>

台湾でのサービス提供開始を記念したキャンペーンも実施する。8月29日~9月9日の期間中、「メルカリ」に会員登録し、指定の条件をクリアした先着1000名に対し、最大200台湾ドルに値するギフトカードをプレゼントするという。他社サイトを経由せずにメルカリの商品を購入可能にしたことで、メルカリ独自の販促も打ち出し、海外での顧客基盤の獲得を目指す考えだ。

取材・執筆 古川勝平

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