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JAの直売所/スマホアプリで売場を見える化、販売機会の損失回避

2017年11月16日 12:30 / IT・システム

日本ユニシスは、松本ハイランド農業協同組合(以下:JA松本ハイランド)と、生産者による農産物直売所への出荷作業を効率化し、生産者の所得向上を目指す、直売所販売支援サービスを共同で開発することで合意した。

11月13日から来年3月31日まで長野県東筑摩郡の農産物直売所「ファーマーズガーデンやまがた」において、クラウドとAI(人工知能)技術を活用し、日本で初めて生産者がスマホアプリで売り場画像をリアルタイムにチェックできるサービス「つながるファーマーズ」の実証実験を実施する。

<つながるファーマーズの利用イメージ>
つながるファーマーズの利用イメージ

生産者がスマホアプリで売り場の“いま”の画像を確認することにより、生産者は農産物の売れ行き状況をリアルタイムで直感的に把握し、適切な出荷・陳列、出荷作業の効率化を実現できる。

直売所を訪れるお客のプライバシーを確保するため、AI技術を活用して店舗内カメラの画像を加工し、お客個人の判別ができない状態で売り場の画像を公開する。

期待する効果として、直感的な販売状況提供による、生産者の出荷意欲の向上、出荷作業の効率化、適切な出荷・陳列による、販売機会の損失回避、生産者の所得向上、直売所の売上向上。

直売所職員の作業負荷軽減、直売所の活性化による直売所職員の販売意欲の向上と客へ店舗内の様子、作物の陳列状況を配信することによる集客力の向上するといった効果を期待している。

生産者が自ら地場農産物を出荷・陳列するJA農産物直売所は、日本全国に広がり、生産者の所得増にも繋がっている。

しかし陳列スペースに限りがあるため、農産物は午前中にはほぼ売り切れて午後には品薄となり、「来店者はあるのに、売る物がない」など販売機会を損失している。

直売所職員は、欠品を避けるために生産者へ電話やメールなどで追加出荷を依頼するが、これが多大な負荷になっており、多くの農産物直売所では同様の課題を抱え、早急な解決が求められている。

今回の実証実験の結果を踏まえて「つながるファーマーズ」の商品化を進め、全国農産物直売所への展開を目指す。

今後は、日本ユニシスのAI関連技術体系「RinzaR」を活用し、直売所を訪れるお客さまの属性分析(性別、世代など)、POS情報(購入情報)と連携したマーケティング支援機能の提供、さらに消費者へのタイムリーな売り場画像の提供なども予定している。

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