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スピーデライト/ホットサンドが約30秒で完成、注文調理に即時対応

2018年06月12日 14:00 / IT・システム

家庭用電気製品と業務用厨房機器・ランドリー機器を展開する電機メーカーエレクトロラックス・ジャパンは6月12日、ホットサンドを約30秒で焼き上げるハイスピードグリラー「SpeeDelight(スピーデライト)」を本格販売すると発表した。

<スピーデライト>
スピーデライト

スピーデライトは、既存の業務用グリラーがヒーターによる直接加熱とマイクロウェーブによる2つの過熱を併用して過熱するのに対し、第3の熱源として赤外線過熱を加えて、過熱調理時間を短時間にしたのが特徴。

従来のホットサンド機では、シンプルなサンドイッチでも約1分半かかっていた調理時間を約30秒に短縮。お客の注文から商品の受け渡しまでの時間を短くすることで、バイオーダー型の店舗オペレーションを効率化する。

<ホットサンドの一例>
ホットサンドの一例

これまで、軽食を提供するカフェでは、店内調理を伴うホットサンドを提供するには、調理時間がかかるため、ドリンクを先に提供し、ホットサンドは後から提供するのが一般的だった。

スピーデライトを導入することで、ドリンクの提供時間とほぼ同等の時間で、フードメニューのホットサンドも提供できるため、従業員が客席までフードメニューを届ける時間や、お客が改めてカウンターまでフードメニューを取りに行く時間を削減できる。

飲食業界では、毎年、人手不足が大きな課題となっているが、店内作業を削減し、スピーディーに商品を提供することで、サービスレベルの向上につながる。

業務用商品のため、販売代理店を通じて外食企業に提供するが、実勢販売価格は100万円以下を想定する。リース方式による提供パッケージも計画しており、月々、数万円程度から導入可能なスキームを検討している。

<調理実演>
調理実演

電気代の節約も大きな特徴で、例えば、1日平均180個のホットサンドを提供する場合は、電気代と人件費のコストを合わせて、1日10時間、週7日営業した場合、約6万円のコストが削減できると試算している。

これまでの業務用グリラーは、電源を落とすことができず、常に待機電力が必要で、ホットサンドを焼き上げない時でも、調理と同じ電力消費をしていた。

スピーデライトは、調理時間以外は、スタンバイモードになり消費電力を削減するほか、閉店後は電源そのものを落とすことができる。

<8つの調理プログラムに対応>
8つの調理プログラムに対応

調理は自動調理で、オリジナルメニューなど8種類の調理プログラムを自由に設定できる。USBポートを搭載しており、プログラムのバージョンアップやチェーン店など全国の複数店舗での調理メニューの共有化・管理が簡単にできる。

マイクロウェーブの過熱時間、上部プレートと下部ガラス面の過熱温度を設定できるため、パンの焼き上げ具合と具材への過熱具合をそれぞれ調節できる。

過熱が終了すると自動的に上部カバーが上がり完成するため、焼きすぎる心配がない。

メニューを標準化できるため、アルバイトによる調理が中心となるチェーン店でもメニューの品質を均一化できるメリットがある。

<ピザにも対応>
ピザにも対応

ホットサンド機とは異なり、上部のホットプレート部分の高さを変更することができ、プログラム選択ボタンを押すだけで、上部ヒーターの高さを自動調節し、常に最適な圧力をかけるため、パンの種類に関わらず、短時間で見た目のよいホットサンドができる。

電子レンジ機能を持ち、ホットサンドだけでなく、ピザやラザニア、スポーンジーケーキなども調理することができる。

<スポンジケーキも焼ける>
スポンジケーキも焼ける

機器のメンテナンスも簡略化しており、機器の清掃作業も短縮できる工夫をすることで、アルバイトでも簡単にメンテナンスできる仕組みを採用した。

<機器の清掃業務も簡略化>
機器の清掃業務も簡略化

エルトラックスでは、イタリアのサンドイッチメニューの一つパニーニを、代表的な調理メニューとしてあげている。

三沢尚幾セールスマネージャーは、「外食産業ではカフェブームが起きているが、差別化メニューが必要とされている。日本ではハンバーガーが軽食の主流だが、ヨーロッパではホットサンドやパニーニが軽食では主流となっている。2020年の東京オリンピックへ向け訪日外国人観光客が増加することもあり、パニーニは差別化メニューとして期待できる」と語る。

<パニーニの一例>
パニーニの一例

スピーデライトを先行導入しているロイヤルホールディングスで新業態の開発などを手掛けるアールアンドケーフードサービスの石川敦営業本部部長は、「コンビニ商品の品質が向上する中で、コンビニにはない、熱々のできたの商品を提供できることが外食の一つの価値となっている。調理時間を短縮することで、従業員の働き方改革や接客時間の捻出など、さまざまな効果が期待できる」と語る。

同じくロイヤルグループのロイヤル空港高速フードサービスの和田勇也東日本空港営業部スーパーバイザーは、「コックがいるロイヤルが素材と調理機器を組み合わせることで、料理のおいしさを最大限に引き出している。衛生管理のほか、従業員の作業性アップもつながっている。既存のグリラーと異なり密閉型の過熱方式であり、調理場の温度上昇が少なく、働きやすい労働環境の整備にもつながっている」と語った。

現在、山口県岩国駅内の「岩国珈琲」、サイゼリヤが展開する新業態「スッパディパスタ日本橋茅場町店」でも、スピーデライトを先行導入している。

エレクトロラックス・ジャパンは、フォカッチャ カプレーゼ、ベーグル、ベジタリアンラップサンド、グルメサンド、ステーキ、焼き鳥などさまざまなメニューに対応できることから、個人店から大規模チェーンまでさまざな業態での導入を期待しているという。

■問い合わせ
エレクトロラックス・ジャパン
プロフェッショナル事業部
TEL:0120-842-040

■スピーデライト
https://professional.electrolux.co.jp/speedelight-high-speed-snack-grill/

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