キリン/AIがぴったりのクラフトビール提案、池袋・横浜で導入
2018年11月07日 16:40 / IT・システム
キリンは11月8日~12月16日、AIを活用することで、好みに合ったクラフトビールをナビゲーションするサービス「ビアナビ」をキリンシティプラス池袋WACCA、キリンシティプラス横浜ベイクォーターでテスト導入する。
「ビアナビ」は、キリンの酒類技術研究所が蓄積してきたビールの嗜好データ・知見と約300人へのクラフトビールに関するアンケートを基礎に、国立研究開発法人 産業技術総合研究所に設置された人工知能技術コンソーシアム(会長 本村陽一)のAIリビングラボWG(リーダー:ブイシンク 杉山邦洋)と共同で開発したサービス。
自分のライフスタイルや食の嗜好性など、6~7問程度の簡単な質問に答えることで、AIが分析した嗜好データから回答者が好むクラフトビールの傾向を予測し、おすすめのクラフトビールを提示する。
実験店では、来店者にiPad miniを使って質問に回答してもらい、4種類(「ブルックリン ラガー」「JAZZBERRY」「Daydream」「496」)のクラフトビールの中から、その嗜好に合ったクラフトビールを提案する。
ビールとは一見関係ない質問に答えることで、簡単に選ぶことができ、クラフトビールの飲用経験がなく、事前試飲がなくても、好みのクラフトビールに出会うことができる。
11月7日行われたサービス体験会で酒類技術研究所の太田惣介氏は、「キリンは多様なビールを選んで、多様な楽しみ方ができる、ワクワクするビール文化の創出を2021年に向けたありたい姿としている。個性的かつ多様性あるクラフトビールの市場を、AIの活用などで拡大することで、お客様にもっとビールを楽しんでいただきたい」。
「クラフトビールを飲んだことのない人でも、ビアナビを使えば手軽に、自分好みのクラフトビールに出会える。想定外の提案やおいしい体験で、クラフトビールの飲用機会を増やしてもらい、ビール市場全体が活性化すればと考えている」と説明した。
質問は、「料理の献立を考えるのが好きですか?」「パクチーは好きですか?」など。
同サービスは、顧客の購買行動や味覚の好みをベースとしたレコメンドサービスとは異なり、DMP(様々なデータを一元管理・分析し、最終的に広告配信などのアクションプランの最適化を実現するためのプラットフォーム)とAIアルゴリズムを活用することで、「自分の自覚していない嗜好」を提案することも可能となっている。
今回の実験で100名以上の利用を目標とし、得られたデータを精査し、レコメントの精度向上、レコメンドするクラフトビールの増加など、よりよいサービス開発へとつなげる。
今後、2021年をめどに本格導入を目指す。導入する店舗を増やし、量販店やECサイトでの活用も検討していく。
流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。