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DNP/商品パッケージ校正作業7割減目標、アサヒ、キリンらと合同検証

2019年05月27日 15:50 / IT・システム

大日本印刷(以下:DNP)は5月27日、AI(人工知能)を活用し、印刷物の制作の際に、法的な表示が義務付けられている事項や成分内容が、正しく表示されているかなどをチェック・確認する校正・校閲作業の合同検証をアサヒビール、キリンビールなどと実施すると発表した。

<商品パッケージの校正作業7割減目標に>
商品パッケージの校正作業7割減目標に

多くの企業が働き方の改革に向けて業務改革に取り組むなか、印刷物の校正・校閲作業は、依然として人手に頼る部分が多く、効率性の改善が求められている。

多様化する生活者ニーズに応えるため商品の多品種化、製品ライフサイクルの短期化により、校正・校閲作業は増加しており、効率の改善は急務となっている。

各企業が商品パッケージを制作するには、業界のルールのほか、ロゴやマークの表示方法など企業独自のルールに準拠する必要があり、社内の多くの部門の人員が横断的に文字やデザインの校正・校閲作業を行っている。

また、印刷には多種多様なデザイン、文字が使用されており、それらを自動認識することが困難であるため、機械化・自動化が進まなかったという事情もある。

今回DNPは、各企業で制作されている多種多様な形状・デザインを分析し、文字認識精度を飛躍的に高めることを目的に合同検証を実施する。

各業界で共通して遵守すべきルールを知識データベースとして標準実装し、そこに各企業の独自ルールを組み込むだけで、企業ごとに最適化した校正・閲覧が可能となるSaaS型サービスの開発を目指している。

企業の独自ルールには、統一した企業イメージを訴求していくCI(Corporate Identity)やVI(Visual Identity)、表現上のルールなどがある。

CD媒体などではなく、ネットワーク経由でソフトウェアの機能を提供する「SaaS(Software as a Service)」を活用し、これら表現上のルールなどを組み込み、企業ごとに最適化した校正・閲覧が可能となるSaaS型サービスの開発に取り組む。

実験に参加する企業13社は、アサヒビール、キリンビール、キリンビバレッジ、小林製薬、サントリーコミュニケーションズ、日清食品ホールディングス、バンダイ、明治、ユニ・チャーム、ライオン、ロッテなどとなっている。

商品パッケージ向け校正・校閲サービスでは、商品パッケージ上で文字・画像認識した情報と原稿の情報をAIが照合し、差異をアラート表示。

表示された不一致箇所のみを人がチェックする。

今後、商品パッケージ向け校正・校閲サービスとして、現在の校正・校閲作業の7割程度の負荷削減を目標に2020年春の実用化を目指す。

<「広告物向け校正・校閲サービス」の開発も予定>
「広告物向け校正・校閲サービス」の開発も予定

業界や企業独自のルールなどをAIで学習し、そのルールにポスターやPOP、保険募集資料、契約書などが違反していないかどうか、誤字や不適切な表現の有無をチェックする「広告物向け校正・校閲サービス」の開発も予定している。

■問い合わせ先
https://www.dnp.co.jp/biz/solution/products/list/bpo.html

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