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ワークマン/「AI需要予測型自動発注」全店導入へ、発注業務を2分に短縮

2021年04月19日 16:50 / IT・システム

ワークマンは4月19日、日立製作所との協創を通じ、約10万品目の発注業務を自動化する新システムを導入開始したと発表した。

<店舗の働き方改革と欠品抑制、在庫適正化を実現>
店舗の働き方改革と欠品抑制、在庫適正化を実現

3月から2店舗に先行導入し、稼働開始。同システムは、全国展開するスーパーマーケットなどへの導入実績がある日立の「Hitachi Digital Solution for Retail/AI需要予測型自動発注サービス」を活用したもの。

在庫回転率が低い品目に対応する「自動補充型」と、在庫回転率が高い品目に対応する「AI需要予測型」のアルゴリズムを併せ持ち、商品の売れ行きに応じて最適なアルゴリズムをタイムリーかつ自動で選択・切り替えることが可能。ワークマンは同システムを活用することにより、現状の店舗棚割に即した平均在庫量を維持しながら、こまめな補充による欠品抑制を実現した。また、従来、各店舗において1日あたり約30分を要していた発注業務を約2分に短縮することができたという。

今後、2021年11月までにワークマンの450店舗に導入し、「WORKMAN Plus」、「ワークマン女子」を合わせた全店約900店舗を対象に同システムを適用拡大する予定だ。

消費者ニーズが多様化し、トレンドが急速に変化していく現代において、小売店にとって発注・在庫管理は、店舗の売上・利益、運営効率に直結する重要な業務。これまでは熟練担当者が、商品ごとに過去の在庫・発注・販売、天候・イベント情報などの複雑な条件を考慮して需要を予測した上で、経験・ノウハウを基に一定の時間をかけて発注・在庫管理作業を行ってきた。

発注・在庫管理業務を自動化するシステムの活用が広がっているが、特に取り扱い商品数が多く、かつ定番品と季節品など商品特性が混在するケースでは、全ての商品に対する業務の自動化が難しく、人手による作業がなくならないという課題が生じている。

ワークマンでも、取り扱い商品が約10万品目に及び、1店舗あたり約1万3000品目を扱う。従来、これらの発注業務に1日あたり約30分を費やすとともに、適切な在庫の確保、タイムリーな商品入れ替えに課題を抱えていた。

2020年から両社は、デジタル技術を活用した発注・在庫管理業務の自動化に向けた協創を開始。ワークマンのニーズに合わせた自動発注システムの開発にあたり、日立は、全国展開するスーパーマーケットなどですでに導入実績がある「Hitachi Digital Solution for Retail/AI需要予測型自動発注サービス」をベースに、ワークマンの商品特性を考慮し、在庫回転率の低い定番商品に対応する自動補充型のアルゴリズムを組み合わせるとともに、在庫回転率に応じて「自動補充型」と「AI需要予測型」のアルゴリズムを動的に切り替える機能を今回新たに追加した。

ワークマンの3店舗、31品目を対象に同システムのシミュレーションを行ったところ、現状の店舗棚割に即した平均在庫量を維持しながら、こまめな補充による欠品抑制が実現。各店舗で毎朝、システムにより推奨された発注量を確認、確定ボタンを押すのみで発注作業を完了でき、約30分を費やしていた作業を約2分に短縮できることを確認できたという。

■問い合わせ先
日立製作所 産業・流通ビジネスユニット
https://www8.hitachi.co.jp/inquiry/it/industry/general/form.jsp

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