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イオンリテール/DXで従業員12万人の働き方改革、シフト作成にAI導入

2022年07月25日 15:50 / IT・システム

イオンリテールは7月25日、従業員の働き方改革を実現するためのDXの一環として、「イオン」「イオンスタイル」約350店舗で「AIワーク」と「MaI(マイ)ボード」を7月から本格展開すると発表した。

<スマホから勤務希望提出できるAIワーク>

※イオンリテール提供画像(以下同)

「AIワーク」はパナソニック コネクトのSaaS型業務アプリケーション「CYTIS Shift for Retail」をカスタマイズ。「MaIボード」は同社のデジタルサイネージソリューション「AcroSign」の技術をベースに、共同設計・開発したものとなる。

「AIワーク」は、チームの勤務計画を自動で起案するシステム。従業員の計画業務時間を低減するほか、勤務希望提出と勤務シフトの確認を携帯端末から、いつでも行える。

一人ひとりの勤務パターンや職能をデータ化することで、チームの課題を店舗・本部スタッフ双方が容易に確認でき、補充人員の確保や技能教育などを、よりスムーズにできる。

<AIワークの仕組み>
仕組み

今年6月に約60店舗で試験導入した結果、利用部門の勤務計画作成時間が70%低減された。勤務希望の申請、勤務計画の確認を携帯端末上でできるようになったため、勤務計画に関わる紙の使用量を90%削減できたという。

<勤務シフト作成の負担を削減と山本執行役員(左)>
山本執行役員

同日行われたオンライン説明会で、山本実執行役員・システム企画本部長は、「当社では人時生産性をKPIでもっとも重視しているが、勤務シフト表作成におけるマネジャーの負担が大きく、人によって3分の1がデスクワークにとられるという事態が起きていた。個人の力量・経験に頼らない仕組み化が急務だった。今回パナソニック・コネクトとの共同開発により、12万人のスタッフという規模、基幹システムとの適合性といった課題をクリアでき、業務負荷とともに紙の使用量も減らすことができた」と述べた。

デリカ、食品オペレーションで7月に運用開始。今後、食品全部門とH&BCへ拡大予定だ。

<MaIボードイメージ>
MaIボード

「MaIボード」は、連絡ノートや掲示板などに替わり、デジタルサイネージでチーム内の情報共有を行うツール。画面で業務連絡、作業指示が確認でき、コミュニケーションをより円滑にする。本部からの指示、営業数値、チラシ情報のほか、近隣店舗との比較、好調商品など、「改善のヒント」となる情報も常時更新される。こうした情報をミーティングで共有することで、改善プランがチームメンバーから生まれやすくなることを期待している。

現在、240店舗で導入し、その他店舗にも順次展開する。

一例では、社内で設定した品目の前週の売り上げベスト50店舗のデータを共有し、自店舗の立ち位置が確認できるため、売り上げ向上のための改善活動が活発化するなどの効果が表れているという。

<情報共有の効率化で改善活動が活発に>
改善活動

今後、「AIワーク」では、予測精度の高い計画をAIが起案することで、ムダ・ムリ・ムラの少ない適切な人員配置に近づける。また、作業の動線・手間の可視化などバックオフィス業務をさらに把握するため、カメラを活用した取り組みも開始。働いた分きちんと成果につながる生産性の高い環境へと導くため、より精度の高い計画となるよう改革を進める考えだ。

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