商品マスタデータ/小売企業間で共有「マスタデータえびす」卸・物流向けサービス開始

2024年09月17日 16:28 / IT・システム

eBASE(イーベース)は9月初旬、「卸・物流会社」向けに「マスタデータえびす」のサービス提供を開始した。

サプライチェーンにおける物流効率を高める要素として重要な「データ精度(Quality)、収集負荷(Cost)、更新性(Delivery)」の高い「商品マスタ」を業界全体で共有・活用できる全体最適を目指し、「2024年物流問題」が社会課題として高まる中、新サービスを役立てる。

<取り組みの概要>

eBASE社は、2022年5月から、異なる業界を横断して複数の小売企業間で商品マスタデータを共有・活用するデータプールサービス「マスタデータえびす」を提供してきた。

現在、賛同小売企業12社から収集(提供)された商品マスタデータ約1000万件をクレンジングし、メーカーから提供された商品情報で構築されている「商材えびす」データともマージして再生成(正規化)した高精度(チャンピオンデータ)な商品マスタデータ(約800万点)で運用している。

商品マスタデータ登録の小売企業は、アークランズ、オートバックスセブン、カインズ、コープきんき事業連合、コープ中国四国事業連合、コープデリ、コープ北陸事業連合、東海コープ事業連合、マキヤ、メガスポーツ、ヤオコー、サッポロドラッグストアー。

利用小売企業は、「マスタデータえびす」のJANコード、商品名、規格、ブランド、サイズ、重量、入数、商品簡易画像等の自社商品マスタデータを互助的に提供・共有することで、他小売企業の商品マスタデータを新規取扱品の商品マスタ登録や自社保有データの精度向上に利用できる。これによりサプライチェーン全体における全体最適のソリューションを提供している。

<商品マスタデータの誤りによるトラブル>

小売企業は、POSレジ、物流システムなどで、取扱商品全ての商品マスタデータが必須であり、そのデータ精度、収集負荷、更新性に課題がある。小売企業独自フォーマットでの小売別の商品マスタデータ収集では、データ提供元である卸やメーカーが、同じ商品情報を何度も異なるフォーマットに入力し提供しなければならないため、データ精度と提供負荷に課題が多く、更新性が劣化し、結果的に小売企業における商品マスタデータの収集・活用課題となっている。

特に、データ精度の課題、つまり、そのデータに稀にでも間違いがあった場合、物流トラブルも含めて様々な大きなトラブルを誘発させている。その結果、物流の合理化を阻む根本的な原因となっており、サプライチェーン全体で高精度な「商品マスタ」の共通利用が求められている。

<マスタデータえびす>

マスタデータえびすは、異なる業界(食品スーパー、ドラッグストア、ホームセンター、家電量販等)を横断して、複数の会員小売企業の商品マスタデータを収集→正規化→データベース化し、各会員小売企業の商品マスタデータとして、新規取扱商品マスタデータの作成、登録済マスタデータの正誤チェック・修正などに利用できる。

会員小売企業は、取扱商品のJANコード(品番)リストを入力することで、商品マスタデータを検索・抽出して自社基幹系システムシステム向けに一括ダウンロードできることから、精度の高い商品マスタデータを簡単に取得でき、「MDcreate」機能を用いて新規取扱品の商品マスタデータの収集速度(更新性)と精度アップを効率的に図れる。

<自社マスタデータと「マスタデータえびす」データの正誤判定ロジック(MDcheck)>

また、自社商品マスタデータを「マスタデータえびす」へ提供して参照比較する「MDcheck」機能によって、その相違データが抽出、返信されることから、相違データの差分点検だけで、データ精度を高める事ができる。その点検後の最新データを、再度、「マスタデータえびす」に返信・登録してもらう事で、「マスタデータえびす」のデータ精度がスパイラルアップ的に更に継続的に向上する。また、会員小売企業の商品マスタデータ提供・登録は、日次の夜間等に一括バッチ処理で差分更新・登録をシステム連携で自動的に行うので、新たな人的作業は発生しない。

今回、小売業界で活用されている、この「マスタデータえびす」を卸・物流企業にも提供することにより、サプライチェーン(メーカー→卸・物流会社→小売)間における「物流機能」の合理化・効率化につながり、業界全体における全体最適の実現を目指す。

卸・物流会社が、マスタデータえびすを導入することで、市場で新規・更新される取扱商品の商品マスタデータを精度高く取得し、顧客の小売企業にタイムリーに提供・共有し、自社のWMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)との連動でムリムダの無い効率的な物流環境を実現。また、自社保有の商品マスタデータのQCDを継続的に向上・維持できるという。

■DXの関連記事
BIPROGY/電子棚札の導入を支援するクラウドサービス提供開始

流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。

メルマガ無料登録はこちら

IT・システム 最新記事

一覧

DXに関する最新ニュース

一覧

物流に関する最新ニュース

一覧

2024年問題に関する最新ニュース

一覧

最新ニュース

一覧