新型コロナウイルス/大阪企業43.6%「学校休校」で有給取得推奨

2020年03月17日 17:30 / 経営

大阪商工会議所は3月12日、「新型コロナウイルス感染症への企業の対応に関する緊急調査」結果を発表した。

調査によると、政府による学校休校措置を踏まえた、子育て中の従業員の勤務や休暇取得についての対応を尋ねたところ、「有給休暇の取得奨励」が4割強(43.6%)で最多となり、「特別有給休暇の付与」(17.5%)、「在宅勤務・テレワークの実施・拡大」(16.4%)が続く。「特段の対応は取っていない」も3割台半ば(35.3%)となった。

<学校休校に対する対応>
学校休校に対する対応
出典:大阪商工会議所プレスリリース(以下同じ)

企業規模別では、資本金3億円超の企業では、「有給休暇の取得奨励」が6割弱(58.5%)、「在宅勤務・テレワークの実施・拡大」(50.9%)、「特別有給休暇の付与」(43.4%)が続く。

他方、資本金3億円以下の企業では、「特段の対応は取っていない」が4割超(41.9%)で最多となり、「有給休暇の取得奨励」は約4割(40.1%)。企業規模により対応実施の有無に差が出た。

「何らかの対応を取る」と回答した企業(173社)を対象に、対応を取る期間はいつまでを予定しているかを尋ねたところ、「当該従業員の子女が通う学校の再開日まで」が4割超(40.5%)で最多となった。「未定」は3割弱(29.5%)、「3月末まで」は2割弱(19.7%)だった。

<学校休校への対応期間>
学校休校への対応期間

学校の休校措置により、子育て中の従業員が出勤できない(もしくは短時間勤務になる)ことで生じる、事業活動への影響については、「現時点では不明」が半数超(51.3%)だった。 「影響が出る」は4社に1社で(26.2%)となった。

<従業員が出勤できないことの影響>
従業員が出勤できないことの影響

「影響が出る」と回答した企業(72社)を対象に、具体的な影響の内容を尋ねたところ、「他の従業員の負担増加」が6割超(61.1%)で最多となった。

<学校休校による具体的影響>
学校休校による具体的影響

企業からは、「学校休校により一部従業員がフル出勤できず、顧客への納入遅延が発生するとみている。どうしても納入が間に合わない場合、外注に頼らざるを得ない」(パッケージ製造、資本金1000万円以下)、「元々少人数でオペレーションしている中で、1人でも長期で休むと顧客への影響を最小限にするために他社員への負担増は必至。1カ月以上休むと機能不全を起こす」(玩具等製造、資本金1000万円超5000万円以下)といった声がある。

「介護施設を運営しているが、ただでさえ人手不足の上に、政府の休校要請により子育て中の一部職員が出勤できず、他の職員の負担が増えている」(介護事業等、資本金1000万円以下)、「子育て中の従業員は、営業補佐(注文処理や商品の手配・出荷や、納期の調整など)を担っている。学校休校により従業員が出勤できなければ、これらの業務を営業社員が担うことになり、負担が増大する」(暖房・調理装置等製造、資本金1000万円以下)という企業もあった。

「学校休校により、子育て中の従業員のフル出勤が難しくなっており、一部店舗では営業時間を短縮している。しかしながら、営業時間短縮が一部店舗に止まっているのは、そもそも来店客数が減少しており、従業員のフル出勤が難しくても業務とのバランスは取れているため」(外食、資本金3億円超)という指摘もあった。

「まだ休校が始まってから1週間なので、判断できないが、学校休校が長期化すれば、生産への影響が出てくるだろう」(床・内装工事、資本金5000万円超3億円以下)といった声もある。

調査は、新型コロナウイルス感染症への企業の対応について、緊急に状況を把握するため、大阪商工会議所の会員企業489社に3月3日~10日、FAXにより調査票を発送し実施した。有効回答数は275社で有効回答率は56.2%。

新型コロナウイルス感染症への企業の対応に関する緊急調査

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