埼玉県/学校休校5月31日まで延長「緊急事態宣言」解除の可能性低い
2020年04月28日 18:11 / 行政
埼玉県は4月28日、現在、5月6日までとしている県立学校の休業(休校)期間を、5月31日まで延長すると発表した。
また、各市町村教育委員会に対して、市町村立の幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、特別支援学校について、県立学校と同様の対応を要請した。
県内感染者が大型連休明けに1000人程度となる推計が出されるなど、予断を許さない状況にあることを受けたもの。休業期間中には、登校日は設けない。
埼玉県や隣接する東京都など感染状況を考慮すると、短期間での緊急事態宣言解除の可能性は低いと見込まれることを考慮した。
また、休業期間を短期間に設定した場合、その後、さらに延長することになると児童・生徒および保護者の不安を増加させ、学校現場の混乱を招く懸念があることから、5月31日までの概ね1カ月程度の期間が適当であると考えたという。
同日、開いた第13回新型コロナウイルス感染症本部会議後の記者会見で大野元裕知事が発表した。
大野知事 県立学校の休業期間であります。県民の皆さんには、不要不急の外出自粛に大変、ご協力を頂いてるところですが、本県、あるいは隣接する東京都などの感染状況には、予断を許さないものがあります。
現時点では、本県に出されている緊急事態宣言が予定通り終了することになるのか、または、更新・継続されるのかについては、見通せないところがあります。緊急事態宣言の5月6日以降の取扱いが、決定される前ではありますが、1日も早く児童・生徒・保護者および学校関係者の皆様が準備ができるよう。
今後の学校の休業等の措置については、可能な限り早期に方針を示す必要があると考えています。そこで、教育委員会に対し、ゴールデンウイークを前にして、県立学校の休業期間のさらなる延長等の措置を講ずるよう要請したところ、本日の本部の会議において、5月31日までの延長を決定していただき、また、私からの要請に基づき、学力の低下等に対する懸念もあります。こういったことへの対処等についても、先ほど報告がありました。
県、教育委員会において、休業期間中の学習面や生活面のフォロー、あるいは就職指導を含めた進路指導など、適切な対応を取ることとしており、引き続き、児童・生徒・および保護者の皆様のご理解とご協力をお願いするところであります。それでは、教育長より引き続き学校の休業等に関する措置についてご説明いただきます。
教育長 教育長の髙田でございます。それでは県立学校の休業期間の延長について私からご説明をさせていただきます。
現在の県内あるいは東京都内などの感染状況を踏まえまして、昨日知事から県立学校について、5月31日まで休業延長するよう要請がございました。それを受けまして、教育局内で検討し、先ほどの本部会議で今後の方針などについてご説明をさせていただきました。
内容については次の通りであります。まず、県立学校については5月31日まで休業を延長いたします。これまで登校日は、学校の実情に応じて週1回程度設けて参りましたけれども、感染拡大を防止するという観点から、今回は設けないことといたします。ただし、特別支援学校につきましては、保護者の方が医療従事者であるとか、あるいはひとり親家庭でどうしても仕事が休めない、様々な事情がございますので、やむを得ない事情がある児童生徒の受け入れにつきましてはこれまで通り対応させていただきます。
次に休業期間中の教育活動についてでございます。生徒の皆さんあるいは保護者の皆様が大変ご心配をされていることと存じます。そこで、次の通り対応いたします。まず、学習面でありますけれども、各教科などの年間指導計画に従って教科書に基づいた課題を与え、電話やメール、ホームページ等を使いながら指導し、適切に評価をするということをこれまで以上に丁寧に進めて参ります。
また、すべての県立高校でユーチューブを活用して授業の動画配信に取り組むことにより、学習支援に取り組んで参ります。さらに、双方向型の学習につきましては、学校側の通信回線の容量の課題などがありますけれども、できるところから順次取り組みを進めて参ります。また、総合教育センターの家庭学習支援サイトに講義動画をアップし、県内の生徒が使えるよう準備を進めております。
次に、生活面のフォローについてでございます。長期にわたる休業の中で、生徒もストレスを感じてることと思います。心のケアや様々な相談窓口の紹介を含めたリーフレットを作成しておりますので、それらを配布して活用してもらおうと考えています。それから休業期間中の部活動は実施をいたしません。給食も提供いたしません。
休業期間終了後の授業についてでございます。まずは時間割を工夫したり行事の中止、延期あるいは土曜授業の実施などで確保して参りますが、2ケ月の休業となりますので、夏休みについても授業日とすることを考えています。具体的には、すべての県立学校で7月31日まで授業を行い、8月25日からまた授業を行います。失礼しましたすべての県立の高校でございます。これ以上に授業を実施したいという高校がありましたら、その学校の実情に応じて授業日を設定することといたします。特別支援学校につきましては児童生徒の障害の状況ですとか、あるいは暑さに弱い児童生徒もおりますことから、学校の実情に応じて対応させていただきます。
次に、休業中の児童生徒への注意事項として、不要不急の外出自粛の徹底、いわゆる3密を避けることの徹底、そして、先ほど知事からもお話がございました通り、家庭内での感染例が数多く指摘されておりますので、今回はさらに家庭にいる時間が長くなることから、換気の励行を呼びかけて参ります。
最後に、市町村への要請についてでございます。県立学校と同様の対応していただくよう各市町村教育委員会に対して要請をして参ります。ただし、登校日の設定などにつきましては、地域の感染状況などを考慮した上で適切にご判断いただきたいと思います。
また、市町村への支援として休業中の学習活動についての取り組み事例などをまとめてお知らせをいたします。さらに授業動画の配信などにも課題が多いことから、何とかすべての子供たちに学習支援が県として行えないかということで、この度テレビ埼玉さんに大変ご協力いただきまして、中学校3年生向けの5教科の授業動画を県が作成し、テレ玉で放送することを準備しております。5月後半には放送したいと考えております。学校の休業の延長については以上でございます。
児童生徒の皆さんにはさらに1ヶ月以上の休業ということで、本当につらい日々を送ることになってしまいました。かわいそうだなというのが率直な私の感想でありますけれども、自分自身の命、そして何より大切なご家族、友達、あるいは周りの人たちの命を救うということが大きな目的でありますので、ぜひ理解をして頑張って欲しいというふうに思います。
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