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セブン&アイ/新中計、北米事業けん引しEBITDA1兆円・ROE10%目指す

2021年07月01日 19:48 / 経営

セブン&アイ・ホールディングスは7月1日、2021~2025年度中期経営計画を発表した。

<井阪隆一社長>
井阪隆一社長

中計では、セブン‐イレブン事業を核としたグローバル成長戦略の推進に加えて、2023年度をめどに国内事業構造改革、期間後半DX・金融戦略などに取り組む。

計画最終年度の2025年度はEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)1兆円以上(2020年度6268億円)、営業キャッシュフロー8000億円以上(同4567億円)、ROE10%以上(同6.8%)を目指す。

井阪社長は「コロナ禍で、個社の取り組みでは世界の変化のスピードに対応できないとグループ内で意見が一致した。今回、個社の目標数値は内部だけで持ち外部に公開せず、グループ全体最適を図る中計とした。北米事業の強化、国内コンビニの再成長に向けた店舗改革、グループの力を結集した食品事業の拡充、ネットコンビニ・ネットスーパーといったラストワンマイル事業に注力する」と説明した。

グループの成長ドライバーである北米事業については、スピードウェイ事業との早期シナジー効果の発揮、チームMD・フレッシュ・フード工場併設型共配センター開設といった食品の強化、コールドプレスジュース、クラフトビール、インストアベーカリーなど楽しめる高質店舗の拡大などを推進する。

2025年度には1万5000店舗、フレッシュ・フード売上構成比20%超、デリバリー対応店舗約6500店舗を目標に設定した。

グローバル事業では、日米連携によるセブン-イレブンのグローバルブランド価値向上に取り組む。

既存国のライセンシー連携強化プログラム、新地域への出店促進で、世界に質の高い店舗を5万店舗規模に拡大する考えだ(2020年度3万9000店舗)。

国内コンビニ事業は、コロナ禍と以前から続く社会構造の変化に対応し、小商圏化に合わせた売場レイアウトへの変更、出店再加速への基盤構築、次世代型店舗の開発・テストを行い、ネットコンビニを拡大する。

オープンケースなど導入した「新レイアウト2020」は、2021年度末までに1万2000店舗に、上部にブリッジ什器を設置するなど狭小の都心店舗への対応は1500店舗で実施する。

また、ネットコンビニは北海道約120店、広島約150店、東京約80店(世田谷・中野・品川・池袋)と2021年2月末で約350店舗に導入している。

AI活用による配送リソース・ルートの最適化などを実現するラストワンマイルDXプラットフォームの採用で、ネットコンビニを強化。2021年度末までに1000店舗でのテスト運営、2025年度には全国展開を完了、営業利益を5%押し上げる見込み。

さらに、連結グループ国内売上約7兆4600億円(2020年度実績)のうち、食品売上は約4兆6700億円と、食品事業が6割強を占めている。食品領域における売上増、グループのシナジー効果をより高めるため、海外調達の促進(直輸入)、原材料・レシピの共有、プロセスセンター・セントラルキッチンの共同運営、生鮮などの共同調達などを行う。

グループの共同インフラとして、セントラルキッチン2カ所・プロセスセンター2カ所を2025年度までに稼働予定だ。

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