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サミット/食品残渣をリサイクルした堆肥で野菜を生産&販売

2023年04月05日 16:39 / 経営

サミットは4月1日、富里市農業協同組合(以下、JA富里市)の協力を得て、サミットから排出される食品残渣を用いて作られた堆肥を使って生産した野菜(小松菜、ほうれん草、チンゲンサイ、ラディッシュ)を、サミットストア世田谷船橋店(東京都世田谷区)で販売開始した。

<サミットの資源循環図>

同社では、NTTビジネスソリューションズが提供する「地域食品資源循環ソリューション」を活用し、サミットストアの店舗で発生した食品残渣を食品残渣発酵分解装置で処理している。JA富里市の協力によって「食品資源循環」の最後のステップが繋がり、同循環の中で生産された野菜を店舗で提供できるようになった。

<循環イメージ>

同社は、SDGsを踏まえて独自に取り組むべき社会課題をまとめた「『GO GREEN』チャレンジ宣言」に基づき、食品リサイクルにも取り組んでおり、2022年4月よりNTTビジネスソリューションズの「地域食品資源循環ソリューション」を活用開始している。

サミットストアでは、バックヤードでの商品製造の際に1日1店舗あたり約100キロの食品残渣(主に野菜加工時の残渣)が発生。同ソリューションを活用し始めた店舗では、バックヤードに設置した食品残渣発酵分解装置「フォースターズ」で食品残渣を発酵分解し、リサイクルセンターで堆肥化する。

今回、サミットが取引しているJA富里市の協力を得て、生成された堆肥を使った野菜を生産し、生産物を店舗で販売することで「地域食品資源循環」が見える形になった。

食品残渣発酵分解装置「フォースターズ」内に投入された食品残渣は、IoTセンサー等を用いて含水率を管理しながら、指定堆肥化促進材(好気性微生物)の力で分解され一次発酵物となる。さらにリサイクルセンターにて堆肥レシピに基づいて副資材と配合し、含水率や温度をコントロールしながら二次、三次発酵を経て完熟堆肥化。それらの堆肥は、契約農家を中心に活用されている。

サミットは、今後も「地域食品資源循環ソリューション」を活用した南関東エリアにおける食品循環の新しい社会システムモデルを、NTTビジネスソリューションズと共に取り組むとしている。加えて、「地域食品資源循環ソリューション」を2023年度内に25店舗へ追加導入(現在9店舗に導入済)し、循環野菜の販売も順次拡大していく。

また、NTTビジネスソリューションズは、IoTセンサーやAIを用いた食品残渣の運搬収集効率化やリサイクルセンターのDX化を進め、安心で作物にあった高品質堆肥を作成し、農家に安定提供することを目指すという。

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