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セブン&アイ/定時株主総会、株主提案否決で井阪社長再任

2023年05月25日 15:09 / 経営

セブン&アイ・ホールディングスは5月25日、同日開催した第18回定時株主総会で、全ての会社提案が可決され、株主提案は否決されたと発表した。

会社提案は、第1号議案「剰余金の処分の件」、第2号議案「取締役5名選任の件」、第3号議案「監査役1名選任の件」で全て可決された。また、会社提案・株主提案となる第4号議案「取締役10名選任の件」も可決された。一方で、株主提案である第5号議案「取締役4名選任の件」は否決された。

第2号議案に含まれる、井阪隆一社長は、賛成比率76.36%で再任した。そのほか、後藤克弘副社長(賛成比率74.36%)、社外取締役の米村敏郎氏(同64.87%)、和田眞治氏(同67.92%)、八馬史尚氏(同68.44%)も再任となった。

<セブン&アイ>
セブン&アイ

一方で、株主提案である第5号議案で提案された、名取勝也氏(賛成比率34.13%)、ディーン・ロジャーズ氏(同33.53%)、ロナルド・ギル氏(同33.13%)、ブリトニー・レビンソン氏(25.52%)は、否決となった。

セブン&アイの取締役会は、同日、「当社取締役会は、当社株主の皆様のご支援と、本総会に至る数週間において建設的な対話ができたことに感謝いたします。多くの株主の皆様が、この一年をかけて当社が取り組んできたガバナンス体制の変革を評価してくださっており、また当社の堅調な業績の元となっているコンビニエンスストア事業に今後注力していくという当社の成長戦略をご支持いただいていることを嬉しく思います。今後も株主の皆様からのご意見にしっかりと耳を傾けてまいります。また、当社取締役会は価値創造に向けたあらゆる可能性を排除せず、独立社外取締役のみで構成される戦略委員会を通じて、客観的な分析・検証を継続的に実施し、事業の変革を加速させてまいりたいと考えています」との声明を発表した。

<第2号、第4号及び第5号議案の決議結果>

議案 候補者指名 決議結果 賛成比率
〈会社提案〉
第2号議案 取締役5名選任の件
井阪 隆一 可決 76.36%
後藤 克弘 可決 74.89%
米村 敏朗 可決 64.87%
和田 眞治 可決 67.92%
八馬 史尚 可決 68.44%
〈会社提案・株主提案〉
第4号議案 取締役10名選任の件
伊藤 順朗 可決 97.60%
永松 文彦 可決 98.00%
ジョセフ・マイケル・デピント 可決 97.03%
丸山 好道 可決 97.86%
井澤 𠮷幸 可決 97.83%
山田 メユミ
(本名:山田 芽由美)
可決 97.94%
ジェニファー・シムズ・ロジャーズ 可決 97.94%
ポール 与那嶺 可決 98.07%
スティーブン・ヘイズ・デイカス 可決 98.08%
エリザベス・ミン・マイヤーダーク 可決 98.08%
〈株主提案〉
第5号議案 取締役4名選任の件
名取 勝也 否決 34.13%
ディーン・ロジャーズ 否決 33.53%
ロナルド・ギル 否決 33.13%
ブリトニー・レビンソン 否決 25.52%

※比率は小数第3位を四捨五入

出席者は436人で昨年よりも187人増加した。また、株主総会の時間は、3時間10分だった。

主な質問事項は、「そごう・西武の発行済株式をFortress Investment Group LLCへ譲渡する件について、協議を重ねているとのことだが、譲渡自体をやめる可能性はあるか」「セブンーイレブンとイトーヨーカ堂のシナジー効果について、グループにスーパーストア事業を持つ強みを見せていく工夫を今以上にすべきではないか」「イトーヨーカ堂の事業について、 ネットスーパーのセンター化 、セントラルキッチン等の戦略投資インフラの活用を改善すれば、更に利益が向上するのではないか」「伊藤名誉会長の逝去に際し、セブン&アイグループをどのように率いていくのか、井阪社長が後継者として示されたことがあれば教えてほしい」「近隣のスーパーストアの求人において、ほぼ最低時給で募集している。人財確保について、どう考えているか」といった事項があった。

そのほか、「セブンーイレブンのAI発注の効果やDXに関する取り組みについて教えてほしい」「セブンーイレブン加盟店での廃棄ロス、フードロスの削減にどのように取り組むか、今後の対応について教えてほしい」「セブン&アイ・ホールディングスの情報セキュリティについて、18期に内部監査は行われたか。行われたのならば監査の対象と、監査頻度について教えてほしい」「セブン-イレブンのおにぎりについて、競合と比較し、海苔を使用した商品の構成が減っている。従業員からも『最近おいしくなくなった』の声があるが、いかがか」「第5号議案に関し、セブン&アイ・ホールディングスとして反対する理由として、伊藤邦雄氏への指摘が事実誤認であるとされているが、具体的にどのようなことが事実誤認であったのか説明いただきたい」といった質問があった。

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