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日本生協連/アジア各国マネージャー店舗視察、日本での学び自国で生かす

2023年07月21日 16:50 / 経営

日本生活協同組合連合会、コープデリ生活協同組合連合会、みやぎ生活協同組合は7月19日~30日、ベトナム、韓国、フィリピン、ネパール、マレーシアの生協マネージャーを対象とした「ICA-AP アジア生協マネージャー研修・現地視察」を実施する。

<研修の様子>

日本生協連は会員生協とともに、1991年からICA-AP(国際協同組合同盟アジア・太平洋地域)生協委員会の取り組みの一環で、日本生協の事業・活動について学ぶ研修・視察の受け入れを行っている。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、2020年以降は休止。今回、4年ぶりの研修再開となる。

現在、アジア各国の生協は、店舗運営、小売市場における競争激化、eコマースの効果的戦略立案、資源循環の促進、気候変動への対応など、さまざまな課題を抱えているという。アジア太平洋地域の生協発展を目的に、研修では、店舗などの視察と講義を通して、店舗事業の生産性向上、競合店対策、環境保全の取り組みなどについて幅広くレクチャーしていく。

今年度の期間は、7月30日までの計12日間で、研修自体は平日に実施。このうち、7月21日の視察スケジュールでは、コープデリ本部(さいたま市南区)、コープ南浦和店(同)、コープデリフーズ 桶川デリカセンター(埼玉県桶川市)を訪問した。

コープデリ本部では、コープみらい副理事長の永井 伸二郎氏を中心としてコープの店舗・宅配事業に関する講義が行われ、その後移動して、店内視察・買い物、デリカセンターの機械・生産現場の視察が行われた。

<店内視察>

店内視察では、アジア各国の留学生の質問に対し、日本生協連の国際部が質疑に応答した。値引きのタイミング、ポップに記載されたサステナブルな取り組み、仕入れ元などに関する質問が飛び交った。

研修生のうち、ベトナムのサイゴンコープ所属 eコマース責任者のレ・ヴァン・トン氏が、ベトナムの小売業界の現状について説明してくれた。「ベトナム国内では流通各社の競合が多く、それらを前にどう戦うかを考える必要がある。同国ではインフレが進み、国民の収入も減っていることから個人の購買力が落ちている。さらに近年、ものすごいスピードでインターネットが普及し、テクノロジーが進化していおり、ベトナム市場のEコマースでは2021年~2022年にかけて利用者数が25%増加した。これら3つの課題についてサイゴンコープは取り組む必要がある」と話す。

<紙パックリサイクルにも関心を寄せたレ・ヴァン・トン氏(右から2人目)>

実際に店舗を見て、研修を受けた感想については、「サイゴンコープでも日本の店舗のように、すぐに食べられる即食総菜や生鮮食品に注力しているため、似ているという印象を受けた。環境への取り組みについても、レジ袋を減らす取り組みを行っており、国の法律で定められているわけでは無いが、サイゴンコープ独自でエコバック使用を呼びかけてプラ削減を促している。本日、説明を受けた中では、日本のコープが持つ宅配サービスに感銘を受けた。サイゴンコープも、店に直接電話をして配送してもらうサービスはあるが、日本のコープにあるような宅配システムはまだないため、今後5年~10年以内を目安に、自国でも取り入れられるよう取り組んでいきたい」としている。

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