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吉野家/東京工場で再生可能エネルギー活用、環境負荷低減を推進

2023年10月05日 14:30 / 経営

吉野家は10月5日、埼玉県加須市の「吉野家東京工場」(以下東京工場)において進めている環境負荷低減に関する施策を発表した。東京工場は埼玉県加須市に1994年に開設し、牛丼に使用する牛肉や玉ねぎ、たれなどを製造している。

<吉野家東京工場>

これらを製造する棟の屋上へ2023年9月から太陽光発電設備を設置した。太陽光により発生する電力は全て東京工場で消費、循環している。太陽光発電設備を設置したことで、CO2排出量は年間195トン削減し、製造棟屋根裏の温度は約10℃、室内側天井付近の温度は約3℃低減する見込みだ。

また、東京工場は2023年2月からASTRA FOOD PLANと共に、東京工場で発生する規格外の玉ねぎ端材を乾燥処理して食用パウダーとして利用するアップサイクルの実証実験を行なっている。現在、玉ねぎ端材はASTRA FOOD PLANに冷蔵発送し、同社が開発した食品の乾燥・殺菌装置「過熱蒸煎機」にかけてアップサイクルしている。2024年2月以降は東京工場に「過熱蒸煎機」を導入し、東京工場で玉ねぎの芯を取り除く加工から粉末化までを行い、規格外の食材の有効活用を促進する。

<玉ねぎの加工>

吉野家は「食」に携わる企業として、食品廃棄物の発生を抑制し、再生利用によって最終処分量を減らすことは重要な社会的責務と捉え、さまざまな取り組みを行っている。東京工場では、2004年から東京工場が排出したキャベツの外葉を埼玉県の東武動物公園に提供し、動物の餌へリサイクルしている。2014 年からは「野菜端材処理機」を導入し、生産工程で発生する野菜の端材を分解し、水として排出する取り組みを続けている。フードロス対応として、工場内食肉加工センターで発生する切り落としをハンバーグ原料用に他社へ販売している。今後も東京工場は廃棄ゼロを目指して再生利用実施率をさらに高める方法を、引き続き検討する。

また、吉野家店舗での食品リサイクルも積極的に行っている。発生した食品残さ(食べ残しおよび厨房調理くず)は店舗ごとに飼料化・肥料化することを推奨するほか、牛丼の調理過程で発生する牛脂は1976年から油脂化・油脂製品化による100%リサイクルを全店(離島を除く)で実施している。2022年度は全国約1200店舗から収集した牛脂を年間で合計4239トン、28万2615本の油缶として出荷した。

今後も環境に配慮した事業活動を推進し、エネルギー使用量の適正化・省エネルギー化、工場・店舗におけるフードロス削減・リサイクル化などを促進し、サステナブルな社会の実現に貢献するという。

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