プランタン銀座は8月31日、フランス・プランタン社との商号・商標契約終了に伴い、2017年1月1日付で社名をマロニエゲートに変更すると発表した。
笹岡社長は「今回、ハイブランドを中心とした品ぞろえを求めるプランタン社と店舗面積が小さく、松屋銀座、銀座三越、銀座マロニエ通りのハイブランドの直営店などとの住み分けを図りたいプランタン銀座の方向性が異なることから、契約更新をしなかった」と語る。
プランタン銀座は1984年4月に、ダイエーが1980年3月に仏プランタン社と締結したロイヤルティ契約をもとに開業し、以来、5年ごとに契約を更新していた。
プランタン銀座の店舗面積は約1万5000m2で、2016年2月期の売上高は150億円(前年同期比4.5%減)だった。現在の筆頭株主は、読売新聞東京本社で株式の70%を保有、三越伊勢丹も30%の株式を保有し、社長を派遣している。
笹岡寛社長は、三越出身で2012年4月にプランタン銀座社長に就任している。
社名変更にあわせ、プランタン銀座は銀座マロニエ通りを挟み隣接し、読売新聞が保有し、三菱地所プロパティマネジメントが運営する商業施設「マロニエゲート」と連携する。
店舗名称を、マロニエゲートは「マロニエゲート銀座1」、プランタン銀座本館は「マロニエゲート銀座2」、プランタン銀座アネックスは「マロニエゲート銀座3」に変更し、連携して運営する。
マロニエゲートと連携した運営をするため、三菱地所プロパティマネジメントとプランタン銀座で連携のための会合を実施。現在、約50項目についての連携の可否を整理した。
プランタン社との商号・商標契約終了に伴い、プランタン銀座のハウスカードで約13万人の会員を有する「プランタン銀座カード」は失効する。
そのため、マロニエゲート銀座2、マロニエゲート銀座3の顧客は、ハウスカードがない状態で、オープンを迎える。
笹岡社長は「ハウスカードの問題は、さまざまな課題があり積み残した課題となった。現在、プランタン銀座カードの顧客と各ショップのハウスカードで、紐づけができる顧客の紐づけ作業をお願いしている。ハウスカードの問題は、2017年中には解決したいと考えている」と語る。
プランタン銀座はこれまで、働く女性のための百貨店として、20歳代から30歳代をターゲットとしていたが、マロニエゲート銀座は20歳代から40歳代の働く女性おしゃれママに変更する。
従来のアパレル中心の商品構成比を見直し、本館2階~4階の雑貨比率を50%にまでに拡大し、ライフスタイル提案型の商品構成とする。
地下2階の食品売場は、ヨガやラン、フィットネスなどのウェアや雑貨を集積し、体に優しいカフェやフードをそろえて、「美と健康のフロア」を提案する。
笹岡社長は「世界一の商業地である銀座とスーパーブランドの多い銀座マロニエ通りの入口にある立地を生かす。プランタン銀座はアパレル中心で飲食が弱く、文具など雑貨も弱い。マロニエゲートは飲食店が充実し、東急ハンズもあることから、プランタン銀座と補完関係にあり、相乗効果が見込める」という。
改装の基本コンセプトは、プランタン銀座が策定、コンセプトを実現するための取引先の紹介を三越伊勢丹が行った。
来年1月の社名変更へ向けて、現在、読売新聞と三越伊勢丹で出資比率を含めた交渉を実施しており、新体制の経営陣は未定という。
笹岡社長は「新しい経営陣は株主が決定することだ。全く新しい経営陣に一新することもあるだろう。私個人としては、改装のコンセプトを作り上げた責任がある。作り上げたコンセプトをしっかりと軌道に乗せ、次の経営陣にバトンタッチするのが役割だと感じている」と語った。
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