外食産業の倒産/2000年度以降で最多、酒場・ビヤホールの倒産トップ

2017年11月09日 16:00 / トピックス

帝国データバンクは11月9日、2017年度上半期の外食関連業者の倒産動向調査を発表した。

<外食関連業者の倒産件数推移>
外食関連業者の倒産件数推移

外食産業の2017年上半期倒産件数は、前年同期比37.9%増の360件。4年ぶりの増加となるほか、2011 年度上半期(355件)を上回り、2000年度以降上半期として最多となった。

負債規模別に見ると、「5000万円未満」の小規模倒産の構成比が81.7%を占め、10年前と比べ10.7 ポイント増加した。

業態別では、「酒場、ビヤホール」が64件で最多。11業態のうち9業態で件数が増加となった。

通年ベースで見ると、2011年度(732件)をピークに減少傾向にあったが、2017年度は10月までの7か月間で422件となっており、6年ぶりに700件を突破する勢いで推移している。

<外食関連業者の倒産件数・負債総額推移(年度・年度上半期)>
外食関連業者の倒産件数・負債総額推移(年度・年度上半期)

2015年度上半期以降の負債規模別の内訳を見ると、2017年度上半期では「5000万円未満」の構成比が 81.7%となり、3年連続で80%を超えた。近年同レンジの件数は増加傾向にあり、10年前の2007年度上半期(71.0%)から10.7 ポイント増加し、零細事業者の経営悪化が目立つ。

なお、「50億円以上」の倒産は2011年1月に破産申請した清(東京都港区、ステーキハウス運営、負債約74億円)以降、発生していない。

<負債額内訳(2007年度上半期・2015年度上半期~)>
負債額内訳(2007年度上半期・2015年度上半期~)

2017年度上半期の倒産を業態別に見ると、居酒屋や焼鳥屋、おでん、もつ焼屋、ダイニングバーなどを含む「酒場・ビヤホール」の64件(構成比17.8%)がトップ。次いで中華のほか、ラーメン、カレー、焼肉、餃子などを含む「中華料理店、その他の東洋料理店」55件(同15.3%)となり、トップは入れ替わったが、この2業態が多い傾向となっている。

<業態別倒産件数、内訳>
業態別倒産件数、内訳

2016年度上半期と比較すると、11業態のうち9業態で件数が増加。「酒場・ビヤホール」(22件増)、レストラン、フランス・イタリア料理などの「西洋料理店」(16件増)、スナックやバー、
クラブやラウンジなどを含む「バー、キャバレーなど」(16件増)などの増加が目立つ。

<業態別法人・個人内訳(2017年度上半期)、倒産推移グラフ>
業態別法人・個人内訳(2017年度上半期)、倒産推移グラフ

法人・個人の区別で業態別に見ると、「バー、キャバレーなど」における倒産は、約7割が個人経営となっており、11業態のうちで唯一法人よりも個人が構成比を上回っている。

<負債額上位10社(2017年度上半期)>
負債額上位10社(2017年度上半期)

上半期「飲食業倒産」/淘汰加速で過去最多493件「バー・キャバレー」「すし店」2倍に

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