流通ニュースは、流通全般の最新ニュースを発信しています。





イオン、アマゾン、百貨店/withコロナのおせちはWEB強化、個食、贅沢に

2020年09月02日 17:20 / 経営

イオンリテール、アマゾン、百貨店など流通各社は9月、「2021年おせち」の予約を本格開始する。

今年は、新型コロナウイルス感染症の影響で、家で過ごす時間が増える中、各社はWEBでの予約・販促キャンペーンを強化する。ハースト婦人画報社が全国の「婦人画報のお取り寄せ」ユーザー約3854人を対象に行ったインターネット調査では、おせちの購入方法・場所として、「通販・ネット注文」を利用すると答えた人が56.5%と最も多かった。

また、松屋がメールマガジン会員に対し行った調査(有効回答数1440人)では、2021年は今年と比べ、おせちを購入する予定の人が約16%増加。おせちにかける予算は、約9割が増やす・同じと回答している。各社は旅行を控える分、「お正月に自宅でおいしいおせちを食べたい」という需要を見込み、「贅沢おせち」も用意している。

そのほか、コロナ禍の需要に対応し、一人分ずつ取り分けられた「個食おせち」、会えない遠方の家族や親戚にも贈れる「広域配送可能なおせち」など新しい生活様式に合わせた「2021年おせち」を提案している。

イオンリテールはWEB注文可能な商品を約2倍に

<金沢を代表する料亭旅館・金茶寮のおせちは5万円>
金茶寮

イオンリテールは9月1日、本州・四国の「イオン」「イオンスタイル」にて、おせちの予約を開始した。

感染症の影響で、家で過ごす時間が増えるなか、WEBでの注文を強化。イオンのショッピングサイト「おうちでイオン イオンショップ」では、注文できる品目数を昨年の約2倍に増やす。

カタログ掲載26品目、イオンショップ限定58品目、9月限定1品目計85品目、価格帯は税別5926円~5万円でそろう。

イオンショップのお取り寄せおせちのなかでも最上級のおせち「金茶寮 金沢迎賓館与段重」(5万円)は、金沢の郷土料理「治部煮」「かぶら寿し」、こだわりの祝い肴などの具材を盛り込み、おうちにいながら旅行や贅沢気分が味わえるよう新たに用意した。

おせちの予約でも非接触での予約を推進し、WEBで予約すると、イオンマークのついたカードのクレジット払い利用で付与される「ときめきポイント」が基本の5倍となるキャンペーンを実施する。また、早期予約の特典として、12月7日までに予約すると一部商品が5%割引となる「早得割引」も行う。

アマゾンでは豪華食材とセットになったおせちも

アマゾンは9月1日、「おせち料理特集2021」をオープンし、おせちの早期予約受付を開始した。

定番の和風豪華おせち、和洋折衷おせちに加え、すき焼きセット、蟹などの豪華食材とセットになったおせちなどがそろう。

<「彩豊楽」おせち、神戸牛すき焼きセット(税込2万1600円)>
神戸牛すき焼きセット

昨年好評だった早期予約特典「Amazonポイント1万ポイント分還元キャンペーン」を、今年はさらに期間を拡大して実施する(9月8日~10月4日)。

9月1日時点で330種類以上を掲載。1万円台の商品が最も多い。最高金額は、「金城樓 特選和風おせち四段 」(4~5人前)の税込16万3100円(配送料は無料)。今後、随時品ぞろえを拡大していく。

松屋は売上前年比10%増を目指す

松屋の調査によると、元日を自宅で過ごす人は、昨年から約1割増加し73%。一方、実家で過ごす人は7.7%減、海外・国内旅行をする人の合計は、昨年の7.3%から4.1%とそれぞれ減少しており、今年の正月は例年より自宅で過ごそうと考えている人が多い。

松屋銀座では、そういった傾向を踏まえ、2021年のおせちのテーマを「人と人とがつながるおせち」とした。

外食を自粛する傾向の中、家でレストランの味を楽しめるおせち、取り分けいらずの一人一段のおせち(型数は前年の1.5倍)、全国配送のおせち(型数は前年の1.5倍)を用意した。

<取り分けいらずの一人一段のおせち>
一人一段のおせち

おせち点数はカタログ197点(うち松屋限定16点)、インターネット184点、中心価格は2~3万円台、最高価格は、なだ万「本店山茶花荘おせち三段重22万円。前年平均客単価は2万5200円だった。今年の売り上げ目標は家での贅沢需要を取り込み、前年比10%増を目指す。

10月1日からWEB予約を開始、店頭は銀座店では10月14日、浅草店は10月7日、電話注文は10月17日からとなっている。

大丸松坂屋の売上目標は前年比4.3%増

おせちマーケットがここ10年で約2割増(大丸・松坂屋直営9店舗計)と好調な大丸松坂屋百貨店は、9月24日からおせちのオンライン予約を開始する。

5月7日の営業再開後、大丸東京店デパ地下総菜弁当は、一人当たりの購入単価が前年比10%以上アップした。

外食を控えている今、デパ地下では贅沢なもの、高価なものを購入する傾向がうかがえる。同社オンラインショッピングはお取り寄せグルメが好調で2.3倍になっており、大丸・松坂屋では贅沢需要を見込み、贅沢なコラボおせちに加え、鍋料理、アクアパッツァといった、スペシャルメニュー付きのおせちも用意する。

<リストランテ アクアパッツァファミリー監修おせち(三の重)>
アクアパッツァ

さらに、年末年始の帰省シーズンも自粛モードの可能性があるため、単身赴任の家族、実家の父母などに向け配送可能なおせちも特集した。

掲載点数は前年とほぼ同じの261点、売上目標は対前年4.3%増(うち、オンラインでの受付については60%増を見込む、大丸松坂屋直営9店舗計)とした。店頭受付は10月7日開始予定だ。

そごう・西武に一品ずつ小分けにした「カップのおせち」登場

そごう・西武11店舗でも、9月下旬から「おせち」の展開を本格化する。

新しい生活様式の中でも迎春のつどいを楽しむことに配慮したおせちを取り揃えた。衛生的に取り分けできるよう、カップで一品ずつ小分けにした「カップのおせち」、一折に一人前ずつ詰めた「おひとり重」、注文から配送まで自宅で手配できる「全国お届けおせち」を充実させた。

<カップのおせち(新宿 割烹 中嶋×ラ・トルチュ、税込2万9160円)>
カップのおせち

約300種類(前年対比約107%増)内「カップおせち」4種類、「おひとり重」12種類、「全国お届けおせち」33種類。売上目標は前年比5%増(既存店予約の売上)としている。

■イオンリテールおせち特設サイト 
https://www.aeonshop.com/shop/pages/osechi.aspx

■アマゾン「おせち料理特集2021」
http://www.amazon.co.jp/osechi

関連記事

経営 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧