サッポロ、エバラ、JPR/3社共同輸送開始ドライバー不足解消
2019年12月11日 15:50 / 経営
日本パレットレンタル(JPR)、サッポロホールディングス、エバラ食品工業は12月11日、3社共同で、岡山エリアと大分・福岡エリア間の共同輸送を開始したと発表した。
JPRは、輸送用レンタルパレットを提供、サッポロホールディングスはビールテイスト製品、エバラ食品は、加工食品、調味料を輸送する。
従来、3社はそれぞれ片道の輸送を各社で手配し製品を陸送していた。しかし、昨今の少子高齢化、トラックドライバー不足から岡山エリアと大分・福岡エリア間500km以上の片道の運行をそれぞれで確保することが困難になることが予想された。そのため、3社で協業し岡山と大分・福岡エリア間でラウンド運行することで地方の幹線輸送の安定確保を図る。
ラウンド運行とは、複数の輸送ルートを組み合わせて空車区間を減らし、該当区間内の輸送を効率化する手法。
岡山エリアと大分・福岡エリア間では海上や鉄道へのモーダルシフトが難しく、現実的にはトラック輸送がほぼ唯一の輸送手段となっている。しかし、安定した物量がないため、帰りが空荷になる、帰り荷の確保のため大阪エリアなど荷量の多いエリアに移動する必要がある、帰り荷が出るまで数日のタイムラグが生じるなどの問題から「輸送の効率化」が課題となっていた。
2019年7月からのテスト期間では、大分から岡山そして福岡に戻るルートを3日でラウンド運行し、行き荷・帰り荷ともに固定化させることで実車率99%以上を実現した。これにより、個社単位での輸送時より、全体でCO2排出量を約15.2トン低減させることができた。今回の取り組みにより、輸送の効率化を最大化するとともに、環境負荷低減を実現する。
実車率とは利用効率を示すもので、全走行距離に対して、荷物を載せ走行した距離の占める割合のこと。国土交通省発表による一般的な実車率は40%となっている。
また、運行ルート、運行スケジュール、輸送商品、車両を固定化し、フォークリフトによる機械荷役を徹底することで、ドライバーの労働環境改善と作業負荷軽減を図る。
運転以外の手荷役等の作業をなくすことで、女性や高齢ドライバーなど幅広い人材が活躍できる環境を整える。
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