カスハラ被害/小売3社に1社が経験、対策トップは電話録音など「顧客対応の記録」
2024年07月24日 14:07 / 経営
帝国データバンクが7月23日発表した「カスタマーハラスメントに関する企業の意識調査」によると、直近1年でカスハラ被害が「ある」と回答した企業は15.7%だった。
調査期間は2024年6月17日~30日、調査対象は全国2万7159社で、有効回答企業数は1万1068社(回答率40.8%)。
直近1年以内にカスハラなどを受けたことが「ある」企業を業界別でみると、「小売」(34.1%)がトップとなり、「小売」で3社に1社が、カスハラ被害の経験があることがわかった。
続いて「金融」(30.1%)、「不動産」(23.8%)、「サービス」(20.2%)と主に個人を取引の対象とする業界が比較的高かった。
企業からは、「自分のわがままを押し通そうとし、思い通りの結果にならないと罵倒する年配の方が多い」(金融、鹿児島県)、「近年はネットに書くと脅されるほか、一方的に事実無根の悪評を書き込まれ、対応に苦慮している」(専門商品小売、大阪府)など、加害者の不当な要求に苦しむ声があがっている。
カスハラや不当な要求などへの取り組みは、何らかの「取り組みあり」と答えた企業は50.1%、「特に取り組んでいない」が47.4%と半数近くに上った。
対応策は、電話に録音機能をつけるなど「顧客対応の記録」が20.1%でトップとなった(複数回答、以下同)。
次いで、「カスハラを容認しない企業方針の策定」(12.3%)、「カスハラ発生時のサポート体制の構築」(9.6%)、「被害者への相談・通報窓口の設置」「警察や警備会社、行政との連携」(ともに8.2%)が続いた。
そのほか、具体的な対策として、「顧問弁護士と迅速な連絡・相談する体制を整えている」(旅館・ホテル、神奈川県)、「カスハラをしてきた企業との取引を停止している」(建設、香川県)などを実施していることがわかった。
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