イトーヨーカドー/新業態「トイロマート 原宿店」オープン、キダルトの集客見込む

2025年03月05日 15:32 / 店舗レポート

イトーヨーカ堂は3月5日、原宿の竹下通りにエンタメ特化型店舗「TOYLO MART(トイロマート) 原宿店」(東京都渋谷区)をオープンした。

<店舗外観>
トイロマート

アパレルショップ「グッディハウス原宿店」からキャラクター雑貨を中心とした店舗に業態変更したもの。コロナ禍でアパレル事業が苦戦する中、ストリーミングサービスの利用拡大などを契機とするアニメブームの高まりに合わせて、原宿店ではキャラクターグッズの取り扱いを開始。24年に実施されたイトーヨーカドーの構造改革でアパレル事業から撤退して以降、現在同様のエンタメ商品一色の品ぞろえで営業してきた。

今回、2021年よりイトーヨーカドーが展開する体験型おもちゃ売場「TOYLO PARK(トイロパーク)」の新しい店舗として、「TOYLO」の屋号を掲げた。なお、TOYLOブランドはこれまで、関東を中心に体感型おもちゃ売場「TOYLO PARK」7店舗と、文房具やスクール用品を中心とした「TOYLO SCHOOL」3店舗を展開している。

<山幡マネジャー>
トイロマート

新業態を原宿に出店した理由について、山幡耕司 スクール&ホビー部 総括マネジャーは「現在展開しているTOYLOブランドの戦略的拠点として活用し、ブランドの認知拡大・ロイヤリティ向上につなげる。原宿には1日に5万人が訪れると聞く。まだ近場のお客様しか知らないTOYLO PARKに今後、新しいお客様を送りたい。

少子化で子供の人数が減る中、今の玩具市場の売上は過去最高額を記録している。ガチャガチャやトレカなどの市場が年々拡大しており、特にキダルトの取り込みが市場を大きくした。そのため、TOYLO MARTはキダルトを意識している。全く新しい商品を扱うというわけではなく、TOYLO PARK内の一部商品をスピンオフした」と説明する。

原宿店のキャラクターグッズの売上は、グッデイ時代で既に全国のヨーカドー店舗の中でも1位を記録している。その差は、TOYLO PARK内で1位の「ららぽーと横浜店」(横浜市都筑区、約330m2)と比較して約3倍。原宿店の売場は約100m2だが、同規模の標準店と比較すると約12倍の売上になるという。

<入口付近の様子>
トイロマート

主にキャラクターグッズ、コレクショントイ、カード、TVゲームなどのトレンド性が高いエンタメ商材を7000~8000SKU取りそろえる。ひと昔前に人気だった玩具・アニメキャラのグッズも扱うなど、新旧さまざまな流行物が並ぶ。

原宿を訪れるキダルト層・ファンダムやインバウンドなど、従来のヨーカドー利用者とは異なる客層に向けて訴求し、「TOYLO」の既存業態への送客を図る。

TOYLO MARTの売場で取り扱いできるアイテム数には限りがあるため、特定のシリーズ商品の中から一部のみを原宿に置く。シリーズ商品のフルラインアップをTOYLO PARK(約2000m2以上)に導入することで、売場が広い既存店にも顧客を呼びたい考え。

オープン時の配置では、入口右側にサンリオキャラクターズのグッズを並べ、入口左側には2月に登場したばかりの新商品「Character Bakery『Nuiパン』」を導入。インバウンド需要を見込む和装のキャラグッズや箸なども取り扱う。

<Nuiパン>
トイロマート

特にタカラトミーアーツによるパンをモチーフにデザインした、ぬいぐるみの新シリーズ「Nuiパン」(シリーズ第1弾はディズニー&ピクサーキャラクター)は現在、国内で約90店舗で取り扱っている。巷で人気を集めている商材で、原宿店での売上実績(業態変更前のグッデイ時)は全国3位を記録した。

<任天堂コーナー>
トイロマート

店内左側には、国内外から支持を集める任天堂のキャラクターグッズや人気のゲームソフトも取りそろえた。

<ロゴ>
トイロマート

今後は限定商品の展開に加え、イトーヨーカドーの既存店舗では取り扱いの無い商品のテスト販売を実施する。顧客の反応や売れ行きを分析しながら、今後の「TOYLO PARK」の品ぞろえ強化と拡大につなげていく。「TOYLO MART 原宿店」と体験型おもちゃ売場「TOYLO PARK」が連動したイベント・施策も実施し、ヨーカドー店舗への来店動機を強める。

具体的な展望について山幡マネジャーは「囲い込み施策やTOYLOブランドでの商品開発を視野に入れている。加えて、巷ではノベルティ欲しさに商品を買う現象が増えているため、例えばMARTでは緑のノベルティ、PARKでは赤や青のノベルティを用意することも検討している」と語った。

また、既存業態の「TOYLO PARK」を導入したヨーカドー店舗では現在、おもちゃ売場の売上が1.3~1.8倍にも売上・客数が増加したという。館全体では売上5~7%増の改装効果が出ており、全体の客数増にも寄与している。「全部が全部TOYLO PARKのおかげではないが、ある程度の相関性はある」と山幡マネジャーは話す。

「TOYLO PARK」自体の今後について同氏は「各デベロッパー様からTOYLO PARKのオファーを受けており、ヨーカドーで実績を固めた後、さまざまな場所に出店していきたい。ヨーカドー以外の館で札幌や名古屋、九州に外部出店が出来たらと思う。

今は原宿を基点に首都圏6店舗のTOYLO PARK、そこからTOYLO SCHOOLに送客する。先日、あべのキューズモールにもTOYLO PARKを作った(2月末)。今後、TOYLO MART2号店を大阪に設け、今度はそこを基点にキューズモールにも送客していく」と述べた。

■TOYLO MART 原宿店
所在地:東京都渋谷区神宮前1-16-2 竹下館高松ビル1階
売場面積:99m2(30坪)
オープン日:2025年3月5日
営業時間:10時30分~20時

取材・執筆 古川勝平

イトーヨーカドーアリオ北砂店/体験型おもちゃ売場「トイロパーク」オープン

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