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セブン&アイ/米国コンビニ2兆2176億円で買収、1万4000店舗網に

2020年08月03日 17:00 / 海外

セブン&アイ・ホールディングスは8月3日、子会社7-Eleven, Inc.が米国のコンビニエンスストア・ガソリンスタンドの「Speedway(スピードウェイ)」ブランドを取得すると発表した。

7-Eleven, Inc.は、米国 Marathon Petroleum Corporation(以下:MPC)との間で、同社が主に「Speedway」ブランドにて運営するコンビニエンスストア事業及び燃料小売事業(MPC社の小売部門のうちダイレクト・ディーラーに対する燃料小売事業等を除く)を運営する複数の会社の株式その他の持分を取得する契約を締結した。

取得価格は、210億米ドル (2兆2176億円)となる。

7-Eleven, Inc.は、全米に9046店(2019年12月、米国コンビニエンスストア業界シェア5.9%)を持ち、ロイヤリティプログラムの登録会員数は3500万人。

「スピードウェイ」は、全米36州で約3900店(すべて直営店、シェア2.6%)を運営。100%ガソリンスタンド併設店(大型給油施設)で、車で立ち寄りやすい好立地の店舗が多く、70%超の店舗不動産を所有、Speedy Rewards(ロイヤリティプログラム)会員数は600万人を超える。

統合後、店舗数は約1万4000店、全米シェア8.5%、米国における人口密集地トップ50のうち47の市場でのプレゼンスを獲得。ロイヤリティプログラム会員数は4000万人以上となる。

3事業年度で、店舗網、商品、SCMなどシナジーは4億7500万~5億7500万ドル、EBITDA倍率はシナジー前13.7倍からシナジー後7.1倍を目指す。

同日電話会議システムで行われた記者会見で、井阪隆一社長は、「現在のセブン&アイグループの営業利益において、北米事業は33.2%を占める。日米のコンビニ事業はグループの成長の要となっている。スピードウェイブランドの取得で、連結営業利益の押し上げ効果は2021年500億円、2022年は1000億円を見込んでおり、北米コンビニ事業が今まで以上にグループの成長をけん引する存在になる」と説明した。

米国における税制優遇措置により、取引の完了後、15事業年度の終了時までの間に合計約30億ドル(正味現在価値)の節税メリットを見込む。

加えて、7-Eleven, Inc.が、今回の取引により取得する店舗に関するセール・アンド・リースバック取引の活用により投資効率のさらなる効率化を図る。

井阪社長は「新型コロナウイルス感染症の終息はまだ見えていないが、5年後、10年後の成長を見据えたうえで、今回の買収は千載一隅のチャンスだった。短期的にも、公共交通機関より自家用車の使用が、感染防止のため増えており、ガソリンスタンド事業とコンビニ既存店の売上は手堅い。今後、この巨額の投資を回収するため、早期にシナジーを発揮、他の投資案件の検討は厳しく精査していく」としている。

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