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PPIH/2030年海外輸出3000億円目標、生産者と「PPIC」発足

2020年10月26日 13:40 / 海外

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パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)は10月23日、日本の農畜水産物の輸出拡大に向けた生産者とPPIHグループのパートナーシップ組織「Pan Pacific International Club(PPIC)」を発足すると発表した。

<PPICの取り組み>
PPICの取り組み

国内は少子高齢化の進行等によって農畜水産品・食品市場が縮小傾向にある。一方で、世界の「食」に関する市場規模は拡大傾向にあり、とくにアジア圏における市場規模は、所得水準の向上による富裕層の増加や人口増加などによって大きく拡大している。

日本の「食」はアジア圏を中心に世界中で人気であることから、輸出拡大は生産者の所得を向上させる戦略の一つとして重要視されている。

しかし、農畜水産物の輸出にあたっては、各国にさまざまな法規制が存在するほか、生産者自らが海外市場のニーズを把握し、且つ安定的な輸出量を確保することは極めて困難であるというのが現状となっている。

こうした現状に着目し、全国の生産者が安定的に輸出を拡大することを支援するほか、品質の高さに定評のある日本の「食」を、海外でも買い求めやすい価格で提供できる環境を整備するために、今回のパートナーシップ組織の発足に至った。

PPICは、PPIHグループの海外店舗に対して輸出を希望する生産者や関連団体で構成する会員制組織。入会には、過去の取引実績は問わない。ただし、PPIC入会は、PPIHとの取引を確約するものではない。

会員は、PPIHグループとの定期商談や直接取引契約が可能となり、安定した出荷先の確保につながるほか、市場や環境に左右されない出荷価格の安定が期待できる。また、海外マーケット情報が提供されるため、作付け・製造の計画が立てやすくなるといったメリットも得られる。

他方、PPIHグループは、PPIC会員を増やし、輸出協力を仰ぐことなどによって、年間を通して安定した品質・数量・価格で商品を仕入れられるメリットがある。

PPICは、まず生鮮食品から取り組みを開始し、順次、加工食品や非食品などへ範囲を拡大し、将来的には国内の一次産業者・二次産業者が集う会員組織へ発展させる計画だ。

PPIHグループの海外事業は、米国内に38店舗を展開するほか、シンガポール・香港・タイにおいて、日本製もしくは日本市場向けの商品を低価格で提供する「ジャパンブランド・スペシャリティストア」をコンセプトとした「DON DON DONKI」を13店舗展開しており、サツマイモ・桃・イチゴなどの農産物や、和牛などの畜産物、マグロ・ウニ・ホタテなどの水産物を中心とした日本の「食」が大変人気を博している。

今後は、2021年にマレーシア・台湾に出店する予定であるほか、環太平洋地域における出店をさらに加速させるとともに、ジャパンブランド中心の独自業態創造と食のSPA化などを推進することによって、2030年に海外売上高1兆円体制を目指す。

■PPIC ホームページ
https://www.ppihgroup.com/ppic/

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