フジ 決算/3~5月営業利益38.6%減、安さ追求するも粗利改善に至らず

2024年07月09日 10:10 / 決算

フジが7月8日に発表した2025年2月期第1四半期決算によると、営業収益1961億6500万円(前年同期比0.4%増)、営業利益14億3500万円(38.6%減)、経常利益18億900万円(35.4%減)、親会社に帰属する当期利益1億700万円(94.0%減)となった。

営業収益は増収だが、価格転嫁を極力抑え「安さ」を追求し続けたことにより、販売費と一般管理費の増加を十分に補うほどの粗利益高改善に至らなかったことに加え、合併の影響による法人税等調整額の増加などもあり、各利益項目は減益となった。

3月1日にフジを存続会社、フジ・リテイリングおよびマックスバリュ西日本を消滅会社とする吸収合併を実施。新たなスローガン「地元に、新しいつながりを」を掲げ、「新生フジ」をスタートさせた。2030年度における目標を「営業収益1兆円」とする2024-2026年度中期経営計画を策定し実行している。

店頭では、経営統合による規模の経済を活かして安さの追求を継続しつつ、多様化する顧客や地域のニーズへの対応など付加価値の提供にも注力することで消費の2極化(メリハリ消費)への対応を深耕するなど、競争力向上を図っていく。

スーパーマーケット業態は、「毎日が安い」「全力プライス」よる価格対応を徹底するとともに、「地元」「健康」「美容」「贅沢」「環境」など付加価値の提供にも注力。これらの取り組みの推進と合わせ、イオングループプライベートブランド「トップバリュ」「トップバリュ・ベストプライス」「トップバリュ・グリーンアイ」の導入の拡大を進めるなど、商品構成の再構築も進めている。

ディスカウントストア業態は、ディスカウントならではの顧客視点に立ち、トップバリュのさらなる拡大を推し進めるなど、「全ての商品が徹底して安い」「たくさん買える」など「安さ」を軸に日常生活の徹底応援に着手した。

ノンストア業態は、移動スーパーの拡大を積極的に進め、4月に「マックスバリュ備前(びぜん)店」(岡山県備前市)で島嶼(とうしょ)部へ向けた新たなルートを拡大するなど、導入車両数128台、456ルートで展開中。今後もノンストア業態の展開を通じて、顧客の不便を解消するとともに新たなニーズへの対応に挑戦する。

改装や建て替えによる既存店の活性化を進め、第1四半期連結累計期間では、9店舗で改装による活性化を実施。3月に「マックスバリュ塩冶(えんや)店」(島根県出雲市)を新規出店するとともに、4月に「マックスバリュイオンタウン防府(ほうふ)店」(山口県防府市)をディスカウントからスーパーマーケットへ業態転換した。

加えて、お得チェックやiAEON(アイイオン)などのアプリを徹底活用することによる新たな顧客接点の創出や販促効率の向上、セルフレジや専用セルフスキャン端末「My-Pi(マイピ)スキャン」の導入の拡大によるレジ待ち時間の短縮、電子棚札や需要予測型自動発注システムの導入の拡大による作業効率改善や発注精度向上など、デジタル化の推進による店頭の改革に取り組んでいる。

以上の取り組みにより、売上高はスーパーマーケット業態1.1%増、ディスカウント業態0.9%減、移動スーパー22.8%増と堅調に推移した。

販売費および一般管理費は、電気料金の契約見直しや使用量節減による大幅削減、プロセスセンターから店舗への生鮮商品供給拡大などによる店舗作業軽減を通じて生産性の向上を図っている。

また、物価上昇へ対応し従業員満足の向上にもつなげるべく大幅な賃上げを実施。既存店活性化費用の増加や、新生フジ誕生祭などの販促費用、本社移転費用などを計画通り計上した結果、販売費および一般管理費は6.0%増、人件費8.1%増、水道光熱費21.5%減となった。

通期は、営業収益8100億円(1.1%増)、営業利益155億円(2.6%増)、経常利益177億円(1.9%増)、親会社に帰属する当期利益80億円(7.6%増)を見込んでいる。

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