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スシロー/水留社長が語る「強さの秘密」(後編・未開拓市場を拓く新業態)

2018年02月14日 13:57 / 流通最前線トップインタビュー

■うまい寿司を出したい思いは「元気寿司」と同じ、海外出店で協力も

――元気寿司、神明との経営統合でいま考えていることはなんですか。

水留 基本的に経営統合はスシローと元気寿司の2社なんですよ。神明さんは、株主としてはいらっしゃったとしても、業務上に何か入ってくるわけではない。そこは元気寿司さんともいろんな議論をしている。もちろん、株主として、神明さんが同意されるかという問題はありますが、基本的なオペレーションや戦略は2社がちゃんと作っていく。

当然、お互いの業態の良さをどう生かしていくか議論もしてますし、どうしたら統合会社として価値が高まるのか、いま考えています。

<元気寿司の郊外型店舗>
元気寿司の郊外型店舗

――元気寿司とスシローの相性はどうですか。

水留 我々が元気寿司さん、いいよねと思っているのは、結構、うちに近い価値観がある。例えば、寿司の味にこだわりたいとか、極論すると、利益よりもいいものを出したいという発想が、非常に強い会社さんなんで、価値観の軋轢といったものは出ないと思っています。

――スシローと元気寿司の統合で生まれるメリットは。

水留 元気寿司とは1店舗あたりの売上が結構、違います。フォーマットとしては同じかもしれませんが。やっぱり収益性も結構、違うので、ある意味スシローのいいところを活用してもらって、元気寿司の店舗の収益性が高まるというのが、一番、理想的にあるかなと思ってます。

スシローとしては、元気寿司が展開する回転しないフルオーダー型のお店が、どこに効率性を生んでいるのか、ひとつ勉強になると思っている。元気寿司は、海外ではスシローよりも多くの国に進出しているので、そこの経験値、ノウハウは我々にとっても参考になると思ってます。

――スシローグローバルホールディングスを設立した狙いは。

水留 スシローグローバルホールディングス(SGH)を設立した狙いは、「あきんどスシロー」という看板をしょって、日本でやっているオペレーティングビジネス以外のビジネスをやるためです。
例えば、海外、韓国のスシローはSGH傘下にあり、この前、発表した台湾のスシローもSGHにぶら下がっていく。それ以外の国のスシローもぶら下がるような形になる。

そのほか、元気寿司さんみたいな形で、スシロー以外のブランドもそこに取り込んでいけるような、先に向けた組織構造を作ろうよというのが一番、大きな目的です。他社からすると、いきなり全部、看板が「スシロー」になりますじゃなくて、ホールディングスの下で、株主はSGHかもしれないけど、自分のオペレーションがあるという方が入ってきやすい。まさに、次のステップに向けた体制づくりです。

<韓国のスシロー店舗>
韓国のスシロー店舗

――回転寿司は世界に通用しますか。

水留 お寿司は非常に可能性のあるテーマですし、日本が本当に世界に広げていける、一つの大きな商材、カードだと思うので、それをしっかりと広げていきたい。まずは、韓国と台湾に出店しますが、そこで止まっている気は全然ないので、そこは加速してやっていきたい。韓国と台湾をやりながら、同時進行で新規進出国に出店する。

実際、元気寿司さんはフランチャイズとして、海外にお店があるので、現地でどういう状況かというのは当然、分かる。元気寿司さんの情報も活用しながらやっていきたい。

スシロー/水留社長が語る「強さの秘密」(前編・ぶれない寿司へのこだわり)
スシロー/水留社長が語る「強さの秘密」(中編・やんちゃ、やろうよ)

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