井村屋/投資額20億円、ファミマ「中華まん」製造の新工場公開
2018年08月21日 16:30 / 商品
井村屋は8月20日、三重県津市の本社敷地内に新設した「点心・デリ&冷凍和菓子工場」を報道関係者に公開した。
井村屋は中華まんのメーカーシェア40%のトップ企業で、ファミリーマートの中華まんも製造している。
2017年7月に約20億円を投資し、中華まんの品質向上を図るため工場を新設した。
ファミリーマートの中華まんは、中華街・専門店の品質を目指しており、新しく5ラインを新設した。
従来の設備は、生地混合後の発酵工程がなく、包餡後に発酵させて蒸していた。
新ラインは、生地混合後に一次発酵をさせ、熟成発酵生地を生成し、シート成型ラインで包餡語、二次発酵をさせ蒸すという工程を採用した。
一次発酵を取り入れ、熟成発酵生地を作ることで、より専門店の中華まんのように、しっとりしたモチモチ感のある食感に仕上げた。
生地の混合は1回あたり200kgの粉を使用し、中華まん4000個分を仕込む。
包餡工程は、具材を生地で包み、肉まんの形にする工程で、5ラインで1日あたり80万個の中華まんを製造する。
一次発酵の時間は非公開だが、包餡した商品は1時間をかけて二次発酵を行う。
包餡した生地は搾りなど、中華まんの種類に合わせた加工をほどこし、1個ずつシートに載せられる。
シートに乗った中華まんは、蒸し工程に送られ、専用の蒸し器で約20分蒸し上げる。
蒸し上った中華まんは、約30分の放冷工程で、粗熱をとり、フィルム包装し、箱詰めされて出荷される。
井村屋では、新たな新機軸の商品として、蒸した中華まんを焼成するベイクド商品用オーブンも設置している。
全長15mのオーブンで、蒸した中華まんを焼成することで、パンのような食感をあわせもった独特の商品を作ることができるという。
井村屋は2018年も6億円を投資し、新たな包餡工程のラインを新設しており、中華まんの製造を強化している。
井村屋グループの浅田剛夫代表取締役会長(CEO)は、「小売業の皆さんから、毎年、商品の改良を求められ、これに応えていくことは大変なことだ。オープンイノベーションの精神で、ファミリーマートが持つお客様の嗜好などのデータと当社の製造・開発力を合わせて、よりお客様に喜ばられる商品を作っていきたい」と述べている。
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