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キリン/シングルグレーン新ブランド「富士」国産ウイスキー強化

2020年03月17日 16:10 / 商品

キリンビールは3月17日、「ウイスキーを自由にする/可能性を広げる」をコンセプトにグレーンウイスキーの新ブランド「富士」と「陸」を発売すると発表した。

4月21日に「富士」、5月19に「陸」を発売する。3月17日マスコミ向け商品発表会を開催した。

<根岸主査、田中マスターブレンダー>
根岸主査、田中マスターブレンダー

キリンビールの国産ウイスキー事業の歴史は、1972年キリン・シーグラム社設立でスタート。1973年に稼働した富士御殿場蒸溜所は、モルト、グレーンウイスキー原酒両方をつくることができる世界でも珍しい蒸留所となっている。

現在約80億円かけて、同蒸留所の設備を増強しており、原酒製造能力を2倍、保管能力を約2割拡大する。

キリンビールマーケティング部 洋酒・海外ビールカテゴリー戦略の根岸修一主査は、「ウイスキーに注目集まる中、当社としてウイスキー事業第2の創業期と位置付け大きく戦略を見直し、ウイスキーを自由にする新商品を開発した」。

「原酒不足もあり、シングルモルトのように大きく話題になるコンテンツを提供できていなかったが、今回は、当社としても初めてグレーンウイスキーを全面に出し、新しい話題を提供する。高品質な『富士』と様々な飲み方ができる『陸』で、ウイスキーの可能性を広げたい」と話した。

4月21日発売の「キリン シングルグレーンウイスキー 富士」(想定価格約6000円、700ml、アルコール分46%)は、世界的に注目されている富士御殿場蒸溜所のグレーンウイスキー原酒のみを使用。香味タイプの異なる3種類のグレーンウイスキー原酒を組み合わせ、それぞれの香味特長を生かした味わいに仕上げた。

主要ターゲットは、30~40代の国産プレミアムウイスキーユーザーに設定した。

<新ブランド「陸」「富士」>
新ブランド「陸」「富士」

マスターブレンダーの田中城太氏は、「5大ウイスキーの良さと日本ならではの作りこみの技術を生かしたウイスキー。ワイングラスで試飲すると、より香りを楽しめる。焼き菓子のような香ばしい香りがトップに来る。水ではなく、小さめの氷を落とすと、白ブドウ、かりん、洋ナシのようなフルーツの香りと、強さの中から甘さ、ふくよかさが感じられる」としている。

<瓶底には富士山をかたどった>
瓶底には富士山をかたどった

ブランド名「富士」は、海外展開も見据え、世界の人々にわかりやすく、蒸留所の価値を伝える名称を選んだ。パッケージは、落ち着いた白ラベルに淡い「富士」の文字を配置し、英字の商品名(FUJI)を重ねることで奥行きを感じさせ、過度な装飾を除くことで、日本らしい引き算の美を追求。瓶底には富士山をかたどり、日本らしさを表現した。

当初業務用ルートのみで販売し、ブランド価値確立と、年間1万ケースの販売を目指す。

「キリンウイスキー 陸」(想定価格約1500円前後、500ml、アルコール分50%)は、輸入グレーンウイスキー原酒と富士御殿場蒸留所の原酒をブレンド。ハイボール、ホットや水割りなど、どのような飲み方でもおいしさが実感できる中味設計にした。年間販売目標は4万2000ケースとした。

富士御殿場蒸溜所では、通常のスコッチタイプ(ライト・グレーン)に加え、カナダウイスキーのミディアムタイプ、アメリカンタイプのヘビータイプの原酒を持ち、2016年、2017年、2019年には「ワールドウイスキーアワード」の「ワールドベストグレーンウイスキー」を獲得するなど、世界で高い評価を得ている。

キリングループの2019年実績は、洋酒計は前年並みの296億円、ウイスキー計も前年並みの183億円、国産ウイスキー計は32億円(前年比32%減)だった。

2020年は、ウイスキー市場の約7割を占める国産ウイスキーは2つの新ブランド立ち上げで、基盤を強化。好調な輸入ウイスキーは、ジョニーウォーカー・ホワイトホースを中心に、ハイボールをブランドで選ぶ楽しさ・魅力を提案、洋酒計312億円(5%増)、ウイスキー計198億円(8%増)、国産ウイスキー計39億円(22%増)を目標に設定した。

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