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くら寿司/創業以来初の価格全面改定「115円・165円」の新価格帯導入

2022年09月07日 15:30 / 商品

くら寿司は9月7日、創業以来初めて寿司商品の基本価格帯を全面改定すると発表した。10月1日から、全国のくら寿司488店舗(10月1日時点の出店予定含む)で、従来の税込110円と220円の皿単位の価格設定を撤廃し、115円と165円の新価格帯で提供する。

<田中社長>
田中社長

田中邦彦社長は、「当社のさらなる成長のためには、これまでにない改革が必要となる。2020年と比べて仕入れ価格で、クロマグロは約1.6倍、サーモンは2倍以上に上昇した。また、運搬コスト、資材、人件費なども上昇している。さらに、円安もある。企業努力だけではのりきることができないため、価格改定が必要となった」と新価格帯の背景を説明した。

<新価格帯>
新価格帯

これまで、110円で提供していたアジ、マダコ、生ダコ、生サーモン、エンガワ、鉄火巻きの6商品は、165円のグレードに改定する。6つの商品は、特に原材料価格が高騰しているため、大幅な値上げとなる。一方で、220円で提供していた18商品は、165円と値下げとなる。

新価格帯の設定について、田中社長は、「昔から出船、入船といって出たら入るという言葉もあります。値上げだけではなく、値下げも必要なんです。少しでも多くの人、特に小学生にも食べてもらいたいというのが、純粋なサービス企業の人間なんです。戦略・戦術以上に、そういう想いが強い」と述べた。

220円商品は5年前から開始し、当初の売上構成比は10%未満だったが、現在の売上構成比は、20%から25%程度で推移している。220円商品は、しっかりと支持を得ているため、値下げでお得感を打ち出す。

<新価格115円メニュー例>
新価格115円メニュー例

新価格115円メニューは、極み熟成まぐろ・はまち・サーモン・とろサーモン・えび・大葉真いか・かれい昆布締め・えんがわ添え・肉厚とろ〆さば・旨だれ牛カルビ・たまご焼き・ねぎまぐろ・えびマヨ・甘えび・生えび・やりいか・あなご・つぶ貝・赤貝・真いわし・ハンバーグ・コーン・納豆・まぐろユッケ・ツナサラダ・いなり・いかおくら・納豆巻・きゅうり巻・赤えび(一貫)など。

<新価格165円メニュー例>
新価格165円メニュー例

新価格165円メニューでは、「作りたて えびアボカド」「炙りたて Wチーズサーモン」「炙りたて Wチーズえび」「炙りたて Wチーズ豚カルビ」「炙りたて Wチーズえびマヨ」「巻きたて 海鮮うに手巻き(一貫)」「巻きたて 揚げたて えび天手巻き(一貫)」「巻きたて たっぷりいくら軍艦」「揚げたて いか天にぎり」「作りたて 大切り 極み熟成まぐろ」「作りたて 大切り 極み熟成漬けまぐろ」「作りたて 大切りはまち」などを販売する。

新価格帯を165円にした理由について、田中社長は、「100円で安く提供するのが一番だが、ものによっては限度がある。昔から150円前後に大きなマーケットラインがあることは分かっていた。5年前から、商品開発担当から150円の価格帯のメニュー開発がしたいという話があったが、私は、いざという時に使うべき価格帯と考え商品開発を許可しなかった。今、コロナ禍があり、補助金もなくなった。まさに、このタイミングで150円の価格帯をやる。当社の商品開発力は世界一だと思っている。素晴らしい150円商品ができたと思う」と述べた。

今回、165円の新価格設定を実現するために、会計時(皿投入時)に異なる価格帯の商品を提供しても、自動で正しく計算できるシステムを構築した。そのため、皿の種類を変えることなく、フレキシブルな価格設定が可能になった。

これにより、くら寿司の看板にも表記があり、回転寿司の象徴でもある「全皿〇〇円」 といった皿単位の価格設定を撤廃した。これまで110円か220円 の2種類の価格に合わせていた商品開発のバリエーションの幅も拡がる。今後、フェア商品などで、250円、300円など、さらに高付加価値商品の提供もできる。より豊富なバリエーションと、魅力的な商品の提供で、顧客満足度の向上に努めたいという。

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