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セブンイレブン/生産国支援するコーヒー700万杯販売目指す

2023年11月07日 16:09 / 商品

セブン‐イレブン・ジャパンは11月7日、期間限定商品「ブルーマウンテンブレンド」のコーヒー豆生産国ジャマイカを支援する取り組みと、「セブンプレミアム」チョコレートの新商品7アイテムによるカカオ豆産地の支援を決定したことを発表した。

<コーヒー・チョコ原材料の生産国を支援>

同社は、2021年から「セブンカフェ」のコーヒー豆の生産国について、その国ごとに抱えている問題解決に資する支援の取り組みを進めてきた。例えば、レギュラーコーヒーに使用する豆の原産国グアテマラには、学校の運営支援・学習道具の譲渡を行い、コロンビアには節水型生産設備を提供している。

海外では、自然環境による影響や労働に関する課題などを抱える生産国も存在し、それらの解決が世界的な課題となっている。そこで同社は、上質なだけではなく、環境にも配慮した商品を提供していくためには、原材料を生産する地域そのものをサポートする必要があると考え、これまで検討を重ねてきたという。

コーヒー豆の調達コストが数年間で数倍に跳ね上がる中、原材料を取り巻く環境にも目を向け、持続可能な社会を目指した取り組みを強化していく。

<永松社長>

産地支援の意義について、永松文彦 社長は「生産者の方々に寄り添うサプライチェーンの在り方を目指す。さまざまな社会課題に直面する昨今、経済的価値の追求に加えて、課題解決に貢献するための社会的価値の追求が一層、必要であると考えた」と明かした。

<園田マネジャー>

FF・菓子・アイス部の園田康清 総括マネジャーは「直近の気候変動によって自然環境が変化し、コーヒー豆の生産量・生産者数・品質の低下が起きている。2050年には世界のコーヒー豆生産量が半減するといわれており、セブンカフェとしても深刻な課題だ。そこで産地の実情を理解した上で課題解決への挑戦を始めた。長期的に支援を行うことで、将来の従事者増加、収穫量・品質向上につなげたい」と説明する。

<ブルーマウンテンブレンド>

期間限定商品「セブンカフェ ブルーマウンテンブレンド」(税別232円)は、世界で収穫されるコーヒー豆の約0.009%しか採れない稀少な「ブルーマウンテン」豆をブレンドしたホットコーヒー。こだわりのトリプル焙煎で、良質な豆の香りとコクを最大限に引き出したという。昨年に続き2年目の登場となる。

園田マネジャーは「生産環境が厳しい中、昨年販売した700万杯分確保できた。年明けには売り切れる見込だ。セブンカフェは長らく定番品を強化していたが、新商品の導入時には今までセブンカフェを購入してこなかった人による購買が多く、製品の付加価値を求めるユーザーが増えていることが明確なデータとしても表れている。より多くの方に製品を知ってもらえるようチャレンジを続けていく。

また、セブンカフェでは、抽出しているコーヒー豆の種類に応じて産地の動画が流れるようになっており、普段何気なく買っているものが産地支援につながるという形で、顧客に理解を深めてもらう」と説明した。

ブルーマウンテンの木を栽培する環境は、霧の深い山間部で険しく、栽培そのものが難しい繊細な品種となる。さらに木そのものが老化を迎えており、豆の選別には手作業が必要な上、生産者数も減少し続けているという。今回の支援では、コーヒーの苗木を寄贈することで、木の本数を増やして安定的な収穫・生産につなげる。

<チョコレートの新商品>

チョコレートもコーヒー同様の課題を抱えており、カカオ豆の生産国ガーナでは「子育てと農作業の両立」、「成人の識字率が75.9%」などの諸問題がある。そこでチョコレートでも産地支援を開始し、売上金の一部をカカオ生産地へ提供する。

対象となる新商品7アイテムは、ガナッシュに生クリームをたっぷり使用したもの。計276万食販売し、2月までに売り切れる見込とのこと。「冬にしか販売できない季節限定の高品質チョコレート」がコンセプトで、商品開発には、ロッテ、ブルボン、明治、森永製菓、芥川製菓が参画した。

11月6日週から「ピーカンナッツショコラ」と「芳醇ラムトリュフ」(298円)を順次発売しており、11月27日週からは「抹茶生チョコトリュフ」と「苺生チョコトリュフ」(同)を販売。12月18日週には、「ジャンドゥーヤ」(同)に加え、「金の生チョコレート 華やぐカカオ/とろけるくちどけ」(各348円)が登場する。

<UCC上島珈琲の朝田社長>

セブンカフェ用のコーヒー豆を提供しているUCC上島珈琲の朝田文彦 社長は「生産環境が年々厳しくなる中、商品を提供できるのは生産者の方々による努力のおかげだ。産地支援が生産者のモチベーションを上げ、収穫量のみならず質の向上を生み、安定的な収穫につながるものと考えている。我々も生産者の方々と一丸となり、より良い製品を収穫できるようサポートしていきたい」と述べた。

<味の素AGFの竹内社長>

同じくセブンカフェに携わる味の素AGFの竹内秀樹 社長は「コーヒー2050年問題を目前にしてサステナブルな原料調達は重要な事項。SDGsの観点からも産地支援はまさに意義のある活動だ。コーヒーメーカーとして寄与できるよう支援していきたい」と語った。

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