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ZOZO/アプリ「WEAR」にファッションの好みを自己分析できる新機能追加

2024年05月09日 17:10 / EC

ZOZOは5月9日、ファッションコーディネートアプリ「WEAR」に新機能を導入し「WEAR by ZOZO」としてリニューアルした。

AIでファッションの好みの傾向が分かる「ファッションジャンル診断」や、ほかのユーザーのARメイクデータを自分の顔に乗せて試せる「WEARお試しメイク」機能などを追加し、コーディネートだけでなくメイクを含むファッションも提案する。

<似合うラボの成果活かし新機能追加>

ZOZOTOWN上で実施した「ファッション・コスメに関するアンケート」の結果によると、回答者の約9割がSNSやウェブでファッション情報を検索する一方で、約7割が欲しい服装のイメージがあっても言語化できず、探し方が分からないことが判明した。さらに、どの年代でもトレンドよりも自分の好みを優先させる傾向が分かったという。

そこで今回実装した「ファッションジャンル診断」では、自分のイメージを言語化しにくい、または自己認識できていないファッションの好みをAIでグラフ化。自身がイメージするコーデとの高精度なマッチングを実現する。なお、同機能には、2022年12月にオープンした表参道のリアル店舗で提供する超パーソナルスタイリングサービス「niaulab by ZOZO」(似合うラボ)で得た知見を活かした。

<澤田社長>

似合うラボでの成果について、澤田宏太郎 社長 兼 CEOは「似合うラボ体験者1000人の体験後30日間の行動分析データを算出した結果、ZOZOTOWNへのアクセス頻度が約1.5倍、ZOZOTOWNでの購入金額が約2倍になる成果が表れた。成果を広告換算するとかなりの金額になる。

サービスを提供する過程で『ジャンル』、『味付け』、『与えたい印象』、『体型の悩み』の4大要素をもとに、顧客に似合うものを提案する知見を得た。お客様に『似合う』を届けるための最短ルートは、自分の言葉で言い表せないニーズをどれだけ掘り起こせるかにある。サービスを進化させ、ファッションを売るZOZOから、ファッションのことなら何でもZOZOになる世界を目指す」と語った。

<ファッションジャンル診断>

「ファッションジャンル診断」は、アプリ初回起動時の診断画面に表示されるコーディネート画像の中から、好みのコーディネート画像を5枚以上(最大40枚)選ぶことでAIがユーザーの好みを診断し、似合うラボの知見をもとに導き出した12ジャンルの中から最大3ジャンルで構成される円グラフを表示するというもの。

グラフを構成する各ジャンルはパーセンテージで表示され、ファッションに特化したAIがユーザーの好みを数値化することで、自分では意識していない好みを発見することもできる。診断結果からユーザーの好みに近いコーディネート検索ができるほか、ジャンルの組み合わせによる絞り込み検索を可能にし、ホーム画面も診断結果や閲覧履歴をもとにパーソナライズされるという。

<WEARお試しメイク>

コーデのみならずメイク機能も充実させた。今回のリニューアルからメイク投稿が可能になるほか、メイクをした状態で自身の顔をスマートフォンで撮影することでフルメイクをARのメイクデータを登録する機能や、別のユーザーが登録したフルメイクデータをARで自分の顔に乗せて試すこともできる「WEARお試しメイク」機能も開始する。

メイクは好みの濃淡に調整することや、ボタン1つで試着のオン・オフの切り替えが可能。ビフォーアフターも確認できる。5月9日のリニューアル時点では、80名のインフルエンサーのフルメイクを含む約500種類のフルメイクをARで試すことができ、今後はインフルエンサーやユーザーなどの投稿で試着できるフルメイクが追加されていく予定だ。

<藤本ディレクター>

メイク機能について、藤本真美 ブランドソリューション本部 WEAR推進部 ディレクターは「さまざまなメイクのお試し需要に応える機能だ。誰でも簡単にフルメイクAR登録でき、ほかのユーザーのメイクも試着できる。ZOZOCOSMEでのコスメアイテム購入にもつなげたい。

また、ZOZOTOWNのアンケートを通じて、我々が考えている以上にメンズメイクの需要があることも分かった。今後のプロモーションでも若年層のお客様を獲得するためのPRを考えている。メイクコンテンツを充実させ、メンズのユーザーも増やしたい」と話す。

ECとの連携も充実させ、登録されたメイクの使用アイテム欄から、ワンタップでZOZOコスメに移行できる機能もある。

このほかにも、ZOZOTOWN IDとWEARを連携することで、ZOZOTOWN上でお気に入り登録しているブランドやショップのコーディネートや、過去に購入・お気に入り登録したアイテムを使用したコーディネートを簡単に探すことが可能になった。

<風間本部長>

ECとの連携について、風間昭男 ブランドソリューション本部 本部長は「買ったものをどういう風に着こなせるか迷ったときに、購入したアイテムの着回し方法を発見してもらって、その中でまた新しいアイテムを購入したい気持ちがわいたときにZOZOTOWNで購入してもらうというサイクルを想定している。

ID連携によって、ZOZOTOWNで買えば買うほどAIが好みのジャンルのコーデを提案できる仕組みだ。商品へのタッチポイントが増え、お客様の購買意欲が増すことを期待している」と説明した。

また、リアル店舗「似合うラボ」の今後について澤田社長は、「今後リアル店舗を増やす可能性はあるが、今の段階ではいえない。似合うラボのサービスは、AIとスタイリストによるものだが、現状でのサービスの貢献割合という意味ではAIが2割、人間が8割だと捉えている。このまま店舗を増やしてもコストが高すぎてビジネスが破綻する。現在は、AIの役割を増やすためのアップデートを進めている最中だ」と述べた。

■WEAR
https://wear.jp/brand/zozo/

取材・執筆 古川勝平

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