経産省/デジタルプラットフォームの透明性アマゾン、アップルに勧告

2024年08月02日 15:24 / 行政

経済産業省は8月2日、特定デジタルプラットフォームの透明性および公正性の向上に関する法律第6条第1項に基づき、アマゾンジャパン、Apple Inc.(以下:アップル)、iTunesに対して提供条件などの開示に関する勧告を行った。

アマゾンジャパンのAmazon.co.jpを通じて、出品者が商品を出品するときは、販売された商品ごとに販売手数料が課されており、その手数料率は、商品のカテゴリーごとに定められている(以下:手数料カテゴリー)。

一方、適用される手数料カテゴリーに関する開示については、出品者が出品に際して選択する「商品タイプ」、「ブラウズノード」(以下:商品カテゴリー)と手数料カテゴリーが異なりうることが開示されていなかった。アマゾンジャパンが手数料カテゴリーの決定主体であることが明確に開示されているとは認められず、商品例が当該手数料カテゴリーに属するという判断基準も開示されていなかった。

また、個々の出品者の販売商品の販売手数料変更に関する事前通知について、プッシュ通知が行われておらず、少なくとも変更の理由が開示されていなかった。

そこで、同法第5条第1項(提供条件の開示の方法等)および同条第4項第2号(提供条件の変更の事前開示)を順守していないため、販売手数料に関する提供条件の内容を明確かつ平易な表現で開示し、手数料カテゴリー自体の変更および個々の出品者の同種商品に適用される手数料カテゴリーを変更する場合には、事前に内容および理由を開示するよう勧告した。

なお、アマゾンジャパンにおいて、本年5月14日にヘルプページ・ポリシーを新設・更新し、商品カテゴリーと手数料カテゴリーが一致する場合とそうでない場合がある旨が記載された。

手数料カテゴリーについても、新たな自動モニタリングシステムを運用開始し、適用される手数料カテゴリーの変更が必要と判断した場合、90日前の事前通知のうえ、分類しなおすこととする旨、報告があった。この点、当該通知文において、変更の内容・理由が、出品者の理解・予測可能性の観点から十分に記載されていることが必要であり、この点を含めて履行の確保と経済産業省への報告を求めているという。

さらに、アップルとiTunesに対し、同法第5条第1項および省令第5条は、提供条件の開示の方法について、開示する提供条件が日本語で作成されていないものであるときは、日本語の翻訳文を同時に付すことを求めている。やむを得ず翻訳文を同時に付せない場合は、開示の時に期限を明示して、当該期限までに翻訳文を付せば足りるとしているが、2021年3月から2023年12月までの間、両社は一部の提供条件開示の時に、翻訳文を同時に付さなかったことに加えて、期限の明示を行わなかった。

その後、アップルは、2024年1月以降は、商品等提供利用者向けの通知に、翻訳文は1カ月を期限に自社webサイト上で提供する旨を含める運用を開始したが、当該期限を経過しても翻訳文を付さなかった。そのため、同法第5条第1項の規定の順守に関する社内管理体制の整備のために必要な措置を講ずるよう、勧告を行った。

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