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伊勢丹新宿本店/AI・AR技術活用の接客に挑戦

2016年08月24日 17:30 / IT・システムトピックス商品店舗

伊勢丹新宿本店は8月24日~9月6日、「優しい未来 モノとテクノロジーの融合」をテーマに「2016彩り祭」を開催する。

ファッションとデジタルの融合を目指した企画で、発信するメッセージは未来志向。テクノロジーを活用した販売サービス、テクノロジーによる新しいモノ・コトを提案する。

人口知能(AI)や拡張現実(AR)を活用した接客を、催事期間で実験的に導入し、将来的には、通常の売場での新しい接客形態の確立を目指す。

<靴のバーチャルフィッティング>
靴のバーチャルフィッティング

本館2階婦人靴では、靴のバーチャルフィッティングを導入した。システム開発会社のFlickfitが開発した新システムをはじめて導入。

<お客の足をデータ化>
お客の足をデータ化

3Dスキャナーでお客の足を計測して、即時にデータ化。三越伊勢丹の開発商品「ナンバートゥエンティワン」の商品の約20%にあたる80~90型の靴の内寸データとお客の足のデータを照らしあわせて、履いた時のフィット感を目に見える形で提案する。

<履いた時のフィット感を画像で表示>
履いた時のフィット感を画像で表示

お客の足のサイズや形を計測するサービスはこれまでにもある取り組みだが、実際の靴の内寸データと足のデータを照合するサービスは初めての取り組み。

今回は試験導入で、店頭のスタイリストによる接客とシステムをどう組み合わせていくのか。提案データと実際のフィット感の違いなどを検証し、常設サービスとして運営できるのかを検討する。

<AI利き酒師コーナー>
AI利き酒師コーナー

地下1階和酒コーナーでは8月29日まで、人口知能が日本酒をすすめる「AI利き酒師コーナー」を展開。

カラフル・ボードが開発したパーソナル人工知能「SENSY(センシー)」を味覚分野に応用した接客を実施する。

<利き酒の感想を入力>
利き酒の感想を入力

基本となる3種類の日本酒を試飲した感想をタブレットに入力。甘味、酸味、旨味、余韻、コク、好みの5つの要素を入力すると、お客の味覚の嗜好を5つの要素を反映したレーダーチャートで視覚化する。

<お客の嗜好を視覚化>
お客の嗜好を視覚化

味覚の嗜好を確認した後、日本酒と合わせたいつまみ(食事)を8種類の中から、ひとつ選択すると、自分の嗜好と食べたい料理に最適な日本酒を1本提案する仕組みとした。

<最適な1本をAIが提案>
最適な1本をAIが提案

センシーで日本酒を提案するのは初めての取り組みで、まずは30本の日本酒のデータから提案を開始する。

2017年3月まで毎月、1週間を目途に「AI利き酒師コーナー」を展開し、最終的には、現在、伊勢丹新宿本店で取扱いのある日本酒300アイテムの提案ができる仕組みを目指す。

9月14日から27日までは、ワイン20本を対象に同様の取り組みを実施する。現在、ワインは2000アイテムを展開。日本酒に比べ料理との相性の幅も広く、提案が多岐に渡るため、試験導入にとどめる。

催事期間の実験で、お客が選択する味覚の嗜好の要素が適切か、AIの提案が実際のお客の好みにあっているのかなど、さまざまな要素を検証し、常設サービス化を目指す。

<バーチャルショッピング体験>
バーチャルショッピング体験

本館2階センターパーク/TOKYO解放区では9月13日まで、近未来のバーチャルショッピング体験コーナーを設置。

実在する服をバーチャルの世界で楽しみながら買うことができるSTYLY(スタイリー)のVRショッピング体験を提案する。

実際の洋服を高精細3Dスキャンすることで、生地の質感やディテイルなど細部まで再現することで、あたかも洋服が目の前にあるかのように感じることができる世界が体験できる。

どの企画も催事イベントのひとつとして実施しているが、商品の販売よりも新しい接客や新しい買物体験の提供を重視した。

実験段階、提案段階の仕組みを実際に売場で活用することで、デジタル技術や機器をどう具体的な接客に組み込むことができるのか検証を重ね、新しい接客の形を作り上げたいという。

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