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イトーヨーカドー/1967年開店「川越店」マンション併設「食品館」で再出店

2019年11月28日 17:20 / 店舗レポート

イトーヨーカ堂は11月28日、埼玉県川越市に「イトーヨーカドー食品館川越店」をオープンした。

<イトーヨーカドー食品館川越店>
イトーヨーカドー食品館川越店

1967年から2016年まで48年間にわたって、西武新宿線「本川越駅」前で営業してきた自社物件の総合スーパー「イトーヨーカドー川越店」を一新した店舗。

2016年に三井不動産レジデンシャルに、等価交換方式で土地・建物を販売し、店舗と土地の一部についてイトーヨーカ堂が所有する方式で再開発した。

本川越駅徒歩1分という立地に、1階、2階にイトーヨーカドー食品館を展開。3階~15階に全106戸の分譲マンションを持つ複合物件として再生した。

<総合スーパーをマンション併設SMとして再生>
総合スーパーをマンション併設SMとして再生

半径1km圏内の商圏人口は約3万4000人、約1万7000世帯。年代別構成比は、20~30代(約28%)、40~50代(約30%)、60代以上(約30%)で、一都三県と比較してほぼ平均的な構成となっている。

一方で、単身者世帯は、約40%で、埼玉県平均の約30%よりも10%高い。そのため、メインターゲット層をファミリー層、シニア層、単身者世帯と想定した。

川越エリアは、古くからある住宅街の住民に加え、近年駅前の再開発が進み、大宮や都心までのアクセスも良いことから、単身者や、子育て世代のファミリー層が増加している。観光客も年々増加しており、多用なニーズが見込まれる地域となっている。

<1階レイアウト>
1階レイアウト

駅前立地と単身者を意識して、1階は「川越デリカ」と名付けた簡便・即食フロア、2階は「小江戸マルシェ」と名付けた生鮮食品・調味料など調理が必要な商品を集めたフロアとした。

1階に惣菜、飲料、グロサリー商品を集めた「おかずデリカゾーン」を配置することで、ショートタイムショッピングに対応する。

取扱アイテム数は約7300アイテムで、内訳は加工食品3800、デイリー1600、青果250、精肉150、鮮魚200、惣菜300、ライフスタイル1000。商品構成比は、生鮮・デリカ・デイリー約70%、グロサリー約30%とした。

<1階全景>
1階全景

単身者対応として、新鮮なお魚を少量食べたいニーズに対応した、「1切り規格のお刺身」(税込429円)や、ネタの大きさはそのままに「シャリ少なめ」の寿司などを用意した。

シャリ少なめの寿司には、専用シールを貼付した。今後、他店舗にもシャリ少なめ寿司を導入する予定だ。

<1切り規格のお刺身(右端)>
1切り規格のお刺身(右端)

地元で愛されている「辛味噌だれ」を使用した「焼きとん」1串(149円)など、おかず・弁当などを多数ラインアップした。

<辛味噌だれを使用した焼きとん>
辛味噌だれを使用した焼きとん

店舗限定商品として、地元で人気のメニュー「肉汁うどん」(429円)や「大学芋コッペサンド」(235円)を販売する。

<肉汁うどん>
肉汁うどん

地元対応として、木村屋総本店三芳工場が製造する菓子パン・惣菜パンなど約20種類を工場直送商品として、展開している。

<工場直送・木村屋総本店コーナー>
工場直送・木村屋総本店コーナー

冷凍食品では、時短・簡便ニーズに対応した冷凍ミールキットして「手間いらず料理キット」を実験導入した。イトーヨーカ堂オリジナルの冷凍食品「EASEUP」と共に、食卓のもう一品を簡単に作る提案を強化した。

<手間いらず料理キットとEASEUP>
手間いらず料理キットとEASEUP

惣菜では、鮮魚部門の魚を使用した寿司のほか、焼き魚、フライなどの魚惣菜を展開する。斎藤健太郎店長は、「マンション併設のスーパーでは、部屋に魚のにおいをつけたくないため、自宅では焼き魚を焼かない人もいる。現在、焼き魚の品ぞろえが少ないので、今後、焼き魚のアイテムを増やしたい」と述べている。

<鮮魚部門の素材を使った魚惣菜>
鮮魚部門の素材を使った魚惣菜

2階は、生鮮品を中心に展開する「小江戸マルシェゾーン」で、産直野菜を川越の農家さんから仕入れを行い、地場野菜コーナーである、JAいるま野の「あぐれっしゅ川越出張所」で販売する。

<2階レイアウト>
2階レイアウト

カットフルーツは、季節の果実を、店内でカットすることで、新鮮な味わいを提供する。サイズは従来のレギュラーサイズに加えて、単身の方も使い切れる「少量サイズ」など品ぞろえを拡充した。

<あぐれっしゅ川越出張所>
あぐれっしゅ川越出張所

精肉では川越唯一の醤油蔵である「松本醤油」で味付けした肉を、フライパンで焼くだけの時短メニューも展開。フライパンで焼く、レンジで温める等、ワンクックでおかずの1品になるオリジナル時短メニュー「シェフズレシピ」と共に時短料理を提案する。

<松本醤油で味付けした肉>
松本醤油で味付けした肉

地元対応として、調味料コーナーでも「松本醤油」をコーナーを設置。「松本醤油」は昔ながらの天然
醸造で香り立つ旨さを生み出す醤油蔵で、今回、約30種類の商品を集中展開した。

<松本醤油コーナー>
松本醤油コーナー

チルド麺では、埼玉のうどん生産量が香川県に次ぎ、47都道府県中2位となっていることに着目。地域で支持されている「高橋製麺」のうどんや、全国各地のご当地うどんなど、幅広い商品を取りそろえた。川越ご当地メニューである「太めん焼きそば」も品ぞろえした。

<高橋製麺コーナー>
高橋製麺コーナー

鮮魚では、セブンプレミアムフレッシュ初となる「生本まぐろ」を展開。長崎・鹿児島からチルドで発送した生本まぐろを提供する。

<セブンプレミアムフレッシュ生本まぐろ(写真中央)>
セブンプレミアムフレッシュ生本まぐろ(写真中央)

旧イトーヨーカドー川越店は総合スーパーだったため、肌着などライフスタイル商品へのニーズにも対応していた。そのため、食品館川越店では、2階に文具、肌着、洗剤、ペット用品などを集積したライフスタイルコーナーを設置した。

<地元かりんとう蔵屋の商品も販売>
地元かりんとう蔵屋の商品も販売

川越生まれのかりんとうメーカー「蔵屋」の商品も販売。今回、川越店限定で「蔵屋」のかりんとうを品ぞろえした。

18<ライフスタイルコーナー>
ライフスタイルコーナー

今後も地域に密着した幅広い品ぞろえとサービスの提供を通じて、お客の生活シーンに新たな価値を提案するという。

■イトーヨーカドー食品館川越店
所在地:埼玉県川越市新富町1-20-1
延床面積:1万2705m2(マンション部分含む)
売場面積:1292m2
建物店舗:地上1階・2階
従業員数:計82人(社員16人、パートタイマー66人/8時間換算)
駐車/駐輪場台数:無し
提携駐車場:56台(屋内部分)
営業時間:10時~22時

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