いなげや川崎中野島店/年商目標16.7億円、生鮮・総菜強化しリニューアルオープン
2025年04月09日 15:10 / 店舗レポート
いなげやは4月9日、「いなげや川崎中野島店」(川崎市多摩区)をリニューアルオープンした。
1979年10月に開店した旧店舗を2024年1月に閉店し、スクラップ&ビルド。売り場・駐車場の拡大、生鮮・総菜売り場一体化の三つの改革に取り組んだ。
建物は平屋から2層のピロティタイプに刷新し、店舗面積は約1067m2から約1559m2と1.5倍に拡大した。駐車場も21台から50台に増やした。
店内は、入り口の青果から、精肉~鮮魚~総菜と続くレイアウトを採用した。総菜はガラス張りのキッチンを導入し、ライブ感・シズル感を出した。
生鮮と総菜の売り場一体化で、生鮮3品・総菜の構成比を43~45%から53%まで高めた。改装により、日商は400~410万円から460万円まで成長させたい考え(年商目標16億7000万円)。
本杉吉員社長は「店舗を拡大したことにより、お客様のニーズに対応した品ぞろえを実現。駐車場も増やし広域のお客様も対象だが、まずは足元500~1㎞圏内のお客様の来店頻度を高め、シェアを強化したい。近隣の川崎登戸店は週末・ハレの日型の店舗だが、川崎中野島店は普段使いの店舗を目指す」と説明している。
新店舗は、JR南武線中野島駅の南約800mの府中街道沿いに位置している。北側には多摩川・JR南武線、南側は小田急小田原線が東西に伸び、東側は津久井道(県道3号線)、西側は京王相模原線となっている。
店舗近隣は住宅密集エリアから農地、自然の多い地域まであり、居住者も学生を含む単身者から子育て世代、高齢者まで幅広い。商圏内には小中高の各学校があり、ファミリーヤング層の居住比率が高くなっている。
世帯数は500m圏4340世帯(8941人、世帯人員2.1人)、1km圏1万9501世帯(3万7386人、同1.9人)。30~40代の居住比率が男女とも2~3割を超えており、同社が積極的に狙っているファミリーヤング世代が全店平均に比べても高いのが特長だ。
同店を中心に東側を川崎登戸店、南側を川崎生田店、西側を稲城矢野口店がカバーすることで、ドミナントを形成する。
競合店は1㎞圏内にヤオコー川崎枡形店、ユーコープ登戸店、業務スーパー登戸店、サミット中野島店が出店している。
店舗コンセプトは「なっ得(価格/価値)感ある商品が 快適なお買い場に並ぶ 元気あふれる従業員のお店」とした。
鮮魚部門出身の島田裕樹店長は「生鮮が強い店は競合店に負けないという強い信念を持って、新店舗を盛り上げたい。精肉はセンターパック中心だったのが、改装でインストアも対応可能となった。鮮魚鮨を開始し、タイパにこだわった西京漬けなど味付けされトレーのままレンジ調理できる『タイパでい~な』も初導入している」と意気込む。
商品は、こだわりの生鮮・総菜から、EDLP(エブリデーロープライス)を意識した商品、イオングループのプライベートブランド(以下:PB)の中でも低価格帯の「ベストプライス」など価格と価値両面から、顧客ニーズに対応した品ぞろえとなっている。
また、タイパニーズに応え、総菜を強化。厚焼き卵など「鉄板メニュー」、健康意識した「糀」を使用した商品、税別199円から大きなおむすびが買える「偉大なおむすび」などがそろう。
インストアベーカリーは、専用窯で焼くこだわりの「石釜ピッツァ」(ホール各税別550円)を導入。ベーカリーはアイテム数を旧店舗に比べ減らしたが、「店内手作りパンの100円均一コーナーにチャレンジするなど、消費の二極化に対応した」という(本杉社長)。
なお、デイリーのパンコーナーでは、タカキベーカリーなど人気のメーカーパンから米粉パン、全粒粉パンまでそろう。
冷凍食品は、「ここ最近の店舗では最大のパターンでコーナー化している。ストアコンセプトにも掲げているが、今まで取り切れていなかったファミリーヤング層向けに、弁当商材などアイテム数を増やした」(島田店長)。
加工食品も「タイパ」への対応として、レンジアップ商品を強化している。エスニック・韓国・メキシカンのカテゴリーをコーナー化した。
PBは、同社オリジナルの「食卓応援」シリーズのほか、イオンの「トップバリュ」シリーズ、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスの「eatime」も取り扱う。
青果は、鮮度にこだわった野菜や旬のフルーツを用意。糖度・熟度・産地(生産者)・品種の切り口でこだわったフルーツを、「こだわりま撰果(せんか)」の名称で販売する。
鮮魚は、対面販売を取り入れ、お造りなどの対応から調理方法の提案まで行う。
精肉は、宮崎県で限定生産された「宮崎県産ちとせこの華牛」などを提供する。
そのほか、購入した商品を当日のうちに届ける「まごころお届けサービス」を導入。店舗で販売している商品を、スマートフォンで注文し、自宅などで受け取れるクイックコマース(Uber Eats)を4月下旬から開始予定だ。
新店舗は川崎市内10店舗目、総店舗数は4月下旬開業の「ブルーミングブルーミー あきるのプレイス店」も含め130店舗となる。
■いなげや川崎中野島店
開店日:4月9日
営業時間:9時~21時30分
所在地:神奈川県川崎市多摩区生田2-1-1
TEL:044-932-1681
売り場面積:1559m2
従業員数:55.5人(社員12.9人、パートナー社員42.6人※166時間/月換算)
年商目標:16億7000万円
駐車場:50台
駐輪場:91台(バイク8台含む)
取材・執筆 鹿野島智子
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