ファミマ 決算/2月期事業利益1.5%増、来期は50億円増の900億円を目指す
2025年04月09日 16:37 / 決算
ファミリーマートが4月9日に発表した2025年2月期決算によると、営業収益5037億700万円(前年同期比0.8%減)、事業利益850億3300万円(1.5%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益849億7800万円(63.9%増)となった。チェーン全店売上高は3兆2438億8800万円(0.9%減)だった。
<細見社長>
2025年2月末の店舗数はチェーン計2万4620店舗(うち日本国内計1万6251店舗)。全店平均日商は57万3000円。既存店売上は42カ月連続で前年超えを維持した。このうち収益に大きく影響する中食・一般商品の売上高は4%増となっている。
事業利益は、過去最高益の850億円を記録。親会社所有者帰属利益は前年比331億円増の850億円(約300億円分は中国事業再編の影響などの特殊要因によるもの)となった。
25年2月期は、中期経営計画の最終年としてCVS事業の基盤強化と新規ビジネス拡大を推進した。細見研介社長は「今回の中計では、チャレンジする方のコンビニであること、また再成長の軌道に乗せることの2つを柱とした。加盟店と一丸となり新しい分野にチャレンジすることでコロナの難しい時期を乗り切り、次のステージに加速度を持って突入できたと手ごたえを感じている。
価格以上の価値・商品開発を徹底した。多くのオリジナル商品・施策が受け入れられ、インバウンドが追い風となり事業利益の拡大を継続できた。デジタルサイネージ1万店以上に設置し、リテールメディアの認知度向上と利用目的拡大により広告メディア事業が大きく拡大した。関連事業会社の営業利益も50億円程度に成長している」と振り返る。
商品面では、おむすびや揚げ物、パンが堅調。「白生パン」や「ソースインファミチキ」等の新商品や「たぶん40%増量作戦」などのキャンペーンも奏功した。「ファミマル」は、「ビャンビャン麺」などがSNSで話題に。「コンビニエンスウェア」はインバウンド需要などで好調だったという。
「ファミペイ」は2400万ダウンロードを突破。来店数と購入額に応じたランクで特典進呈される「ファミマメンバーズプログラム」も顧客の支持を集めた。
DX面では、勤務シフトやワークスケジュールを自動作成する「ファミマ・ワーク・システム(FWS)」や、生成AIを搭載した人型AIアシスタントも導入し、人件費の抑制につなげている。
26年2月期の営業収益は5060億円、事業利益900億円を見込む。
事業利益の前期(25年2月期)差は50億円増。内訳は、商品力・販促強化による日商向上で110億円増、広告・メディア事業、事業会社関連で15億円増、外部環境変化によるコスト増加で45億円減、事業の基盤強化に向けたデジタルの取り組みへの投資で30億円減となる。
25年度以降の中期経営計画は策定しない。単年での事業計画とした。国際情勢などの要因で、経営環境が引き続き不透明のためだという。
主要な取組としては、大谷翔平選手とのアンバサダー契約や、クリエイティブディレクターに就任したNIGO氏との協業などでブランド価値向上を推進する。看板商品の育成と「スイーツ」「おむすび」などのカテゴリーを強化していく。
米については、現時点では伊藤忠食糧を通じて安定調達が実現できているという。政府が7月までに毎月一定量を放出するという備蓄米と合わせて、米飯の安定供給につなげる方針だ。
店舗面については、100店舗の純増を計画している。
既存店では、一部店舗のイートイン廃止に加え、今後数年間かけて小型店舗の簡易増床を行う「アポロ計画」により売場面積を拡大していく。
同計画について細見社長は「売場面積が当社の必要と考えてるよりも小さな店舗が多い。数年かけて取り組む。今年は数百店で検討しており、店舗のピックアップを進めている。そんなに大きい面積にはならないが、同時に店内全体を改装し、売場を適切な品ぞろえにガラっと変える」と説明した。
また、「ファミマオンライン」などによる顧客接点の拡大にも努める。
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