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バローHD/毎年200億円以上を投資、改装を中心とした「新中計」発表

バローホールディングスは5月16日、「バローグループ中期3カ年経営計画」を発表した。

<バローの店舗>
バローの店舗

2019年3月期から2021年3月期までの中期計画で、最終年度の2021年3月期は連結売上高6000億円、連結経常利益185億円、ROA6.0%、ROE8.5%以上を目指す。

2018年3月期の実績は、売上高5440億円、経常利益149億円、ROA5.4%、ROE6.9%だった。

収益性の向上により、2021年3月期までの3カ年で累計730億円以上の営業キャッシュフローを創出することで、成長投資資金を捻出する。

設備投資は、年間で230~240億円を予定し、そのうち30~40%を既存店投資に充当する計画だ。

<田代会長兼社長>
田代会長兼社長

田代正美会長兼社長は、「2011年度から2015年度まで実施した中期5カ年計画は、製造小売業への短観を目指し事業規模の拡大を行い、事業拡大をささえるインフラの整備を行い想定通りの結果を出せた。2016年度から2018年度に実施した中期3カ年計画は、経営効率の改善を目指したが、量的拡大はできたが収益力が低下し、想定どおりの結果とならなかった。この原因は、外部環境の変化にある。2019年度から始まる中期3カ年計画は、標準店の量的拡大から転換し、商品力を軸としたフォーマットへの転換を図る」と述べた。

中計初年度の2019年3月期は、新規投資118億6400万円、既存店投資94億8300万円、その他17億円、合計215億1700万円を投資する計画だ。

スーパーマーケットは、バローが5店を出店、5店を閉店し、純増は0店。タチヤが1店を出店する。ドラッグストアは24店を出店、6店を閉店する。スポーツクラブはFC20店を含み50店を出店、ペットショップ1店を出店する予定だ。

田代会長兼社長は、「これまではスーパーを出店すると3~5年後に最高売上高となったが、いまは初年度が最高売上高という店もある。コンビニやドラッグストアなど異業種との競争が激化している。生鮮食品のカテゴリーキラーであるグループ企業のタチヤは、3~4年目の伸びが一番大きい。伝統的なスーパーは商圏が狭くなっているが、タチヤが商圏が広がっている。日用品がドラッグストアに奪われる中で、スーパーは生鮮を強化する必要がある」と語る。

生鮮強化策の一つとして、2016年11月に「SMバロー光音寺店」(売場面積約2500m2)に従来の3倍の尺数を持つ精肉売場を導入し、年間売上が7.7%増、畜産売上構成比が2.2%増となった。

2017年6月に「根本店」(約1700m2)で、中小型店の生鮮強化の方向性として、鮮魚の縮小と青果・精肉の拡張を打ち出した。

同年9月の「茜部南店」(約2500m2)で、新店導入を前提に精肉を核とした売場構成にリニューアルした。10月に出店した「勝川店」(約2300m2)では、青果・精肉・総菜を中心とした売場構成を採用し、新店導入を前提に塩干テナントを導入した。

その結果、精肉部門の全社の平均売上構成比は12%程度だが、茜部南店は22%、勝川店は27%まで精肉部門の売上構成比が伸長した。

<バロー勝川店>
バロー勝川店

鮮魚部門については、ユニー閉店後の居ぬき出店をした「ルビットタウン店」で、ユニー時代が営業している鮮魚・塩干、総菜のテナントを引き継ぎ、バローとしてはじめて鮮魚・塩干のテナントを導入したところ、直営鮮魚部門とテナントの相性が良いことが分かったという。

2018年3月に改装した「羽鳥インター店」(約2400m2)では、青果・精肉を中心に売場構成を変更し、鮮魚・塩干テナントを導入したところ、改装翌月売上は29.9%増、水産とテナントの売上構成比は3.2%増となった。

鮮魚部門では、バローはバイイングパワーに特化した商品に注力し、品ぞろえ的な商品はテナントに任せる売場づくりを検討しているという。

また、グループ企業のアクトスが運営するフィットネスクラブが伸長していることを受け、来期以降はフィットネスクラブの出店も加速する。

<アクトスのホームページ>
アクトスのホームページ

田代会長兼社長は、「フィットネスクラブは当社が注目するより先に、他社が注目している。これからヤオコーやコーナン商事の店舗にアクトスを出店する。フィットネスクラブは1200人から1300人程度の会員が集まり、バローでも導入すると好調となっている」という。

また、「今回の中期3カ年計画のテーマは、リストラと現場力の強化だ。リストラには資産の有効活用とスクラップという2つの意味がある。リストラという面では、これまでバローを作ってきた私ではやりきれない面もあるので、アクトスの社長だった横山をホールディングスの副社長に起用し、グループのリストラとシナジーの追求を行う」と語った。

<横山副社長(右)>
横山副社長(右)

アクトス代表取締役会長とバロー取締役副社長を兼務する、HD取締役副社長の横山悟氏は、「これまでは、田代のカリスマ性が事業を引っ張っていて、各事業ごとの独創性が欠けていた。これを主体性と責任をもった体制に変えていく。1つ1つの事業体を強くしていく」と今後の方針を述べた。

田代会長兼社長は、「伝統的なスーパーはもう終わった。生き残るスーパーを、この3年間で作る。本当の意味で生き残る店を拡大していく。これから、スーパーマーケット事業を全面的に、タチヤの社長であった森にゆだねる。もう一回、タチヤを勉強する」と語った。

<森取締役>
森取締役

4月1日付で、タチヤ社長からバローHD取締役兼タチヤ代表取締役会長兼バロー常務取締役についた森克幸氏は、「今、バローの従業員に対して、とにかくお客さんを見ること、一つ一つの商品の味、食感、見た目にもこだわっていくことを伝えている」と生鮮強化の方向性を述べた。

バローでは2016年度から2018年度の3カ年で57店を改装し、生鮮強化型へ転換している。改装を実施した店舗は売上が伸長しているが、改装未実施店舗は売上が前年割れとなっている。

今後、収益が悪化した改装未着手店舗については、改装実施か閉店などの判断を急ぐ方針だ。

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