喫茶店・カフェ/増収率トップは「コメダ」FC出店加速が寄与
2018年08月09日 14:00 / 経営
帝国データバンクは8月2日、喫茶店・カフェ経営業者1180社の経営実態調査を発表した。
調査によると、喫茶店・カフェ経営業者1180社の2017年の売上高合計は、前年比4.6%増の6415億3200万円となり、拡大傾向が続いている。
売上高規模別では、「1億円未満」が832社(構成比70.5%で最多。一方、100億円以上は、10社(同0.8%)で、この10社が売上高合計全体の66.3%を占めている。
売上高上位10社を見ると、増収率トップはコメダ(10.7%増)で、FC加盟店の出店が順次進められ、関連商品の販売数量の増加が寄与した。
次いでタリーズコーヒージャパンが、順調な店舗拡大が続き、9.1%増となった。
地域別では、都道府県別でトップの「東京」(204社)がけん引し、「関東」(313社)が最多となった。
個人事業者を中心とした小規模業者の売上が伸び悩むなか、上位の大手企業は店舗数の増加や既存店の売上増加などが見られた。喫茶店・カフェの売上高合計は、2016年以降、6000億円超えの水準を維持している。
2017年の売上高1位は、1180社の売上高合計の4分の1を占めるスターバックスコーヒージャパンだった。
「スターバックスコーヒー」の運営、コーヒー関連商品の販売を手がけ、2018年6月末時点の店
舗数は1363店(うちライセンス102店)。
コンビニ向けチルドカップのカフェラテやエスプレッソなどをリニューアル、「ミルクカスタードプリン」や「チョコレートプリン」など期間限定商品が想定以上の人気を博し、既存店の客単価・来店客数が増加したほか、新規出店数増加も寄与した。
店舗売上・ライセンス収入ともに増収となり、売上高は1709億円と圧倒的な存在感を誇る。
2位はドトールコーヒーで、「ドトールコーヒーショップ」「エクセルシオールカフェ」などの運営、コーヒー関連商品の販売を手がけ、2018年5月末時点の店舗数は、「ドトールコーヒーショップ」が1122店舗(うちFC店933店舗)、「エクセルシオールカフェ」が123店舗(うちFC店26店舗)。
直営店の客単価増加に加えて、ドリップコーヒーやコーヒー原料など卸売部門での販路開拓などで増収を確保した。
ランキング外だが、日本レストランシステムは、「星乃珈琲店」などを運営し、2018年5月末時点で219店(うちFC店19店)を展開。
主力の星乃珈琲店事業では、競合他社との競争や食事メニューの固定化などで、既存店の集客数は前年から微減となったものの、新業態「OSLOCOFFEE」の出店を積極化している。
ハンドドリップや急冷式アイスコーヒーなど、サードウェーブ※に近い業態で話題を集め、充実したフードメニューで客単価も上昇した。既存店舗以外の業態が好調だったため、全体の集客数・客単価ともに前期を上回り、増収となった。
上位10社の売上高を見ると、コメダ(243億円、前年比10.7%増)やタリーズコーヒージャパン(302億6800万円、同9.1%増)の増収が目立った。
2016年に上場したコメダホールディングス傘下のコメダは、FC加盟店部門で、関東、関西、九州地区で出店が順次進められ、ロイヤリティ収入が増加した。
店舗数が増えたことでコーヒー豆・パンなどの食材販売数量も増え増収となった。モーニングサービス(飲料代金のみでトースト、ゆで卵などが付く)など価格面での手頃感が、幅広い客層に受け入れられている。
タリーズコーヒージャパンは、主力の飲食事業で期初から順調な店舗拡大が続き、増収に寄与した。
メニュー関連は引き続き新商品を発売するほか、東北や北海道などエリア限定商品を展開し、飲料に加えてフード類も充実させ客単価上昇に努めた。
■喫茶店・カフェ経営業者1180社の経営実態調査
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p180801.html
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