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木乃幡/餅製品「凍天(しみてん)」製造・小売、自己破産で負債7億円

2019年04月22日 10:30 / 経営

帝国データバンクによると、木乃幡は4月20日までに事業を停止し、事後処理を弁護士に一任し、自己破産申請の準備に入った。負債は2018年6月期末時点で約7億7400万円。

1965年創業、1984年12月に法人改組した餅製品製造・小売業者。「凍天(しみてん)」、「焼きもち」、「もちロール」、「大福」、「ぼたもち」、「凍もち(しみもち)」などの餅製品製造のほか、インターネット販売、「もち処木乃幡」や「しみてん木乃幡」の店舗名による小売りも手がけ、2006年6月期には年売上高約3億8700万円を計上していた。

ドーナツのような生地の中に凍餅が入っている主力商品の「凍天(しみてん)」は、全国ネットのテレビ番組で取り上げられるなど知名度を高めていたが、2011年3月の東日本大震災に伴い工場が被災したため外注依存の製造となった。

また、本店工場(福島県南相馬市)が福島第一原発事故による避難区域内であったこともあり風評被害から売り上げが落ち込み、震災以降は業績悪化を余儀なくされていた。

このため、福島県以外にも宮城県内の商業施設内やJR仙台駅構内に出店するほか、2014年1月には宮城県名取市に新工場を設置したが、思惑通りの販売に至らず売り上げは低迷した。

工場設置に伴う借入金負担も収益を圧迫し赤字経営を余儀なくされていた。

2018年には実質本店を新工場のある現所在地(名取市)に移転。不採算店舗の閉鎖のほか、東北・常磐自動車道のサービスエリアに出店したが、2018年6月期の年売上高は約3億5000万円に減少、最近は営業損益段階から損失を計上するなど赤字経営となり、大幅な債務超過に陥っていた。

今期に入っても1月に売り上げの3割を占める主力店舗の福島店を閉鎖(現在約5店舗運営)するなど売り上げ減少が加速し、業績改善の見通しが立たないため今回の事態となった。

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