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円安の影響/1ドル=130円で企業の46.7%が経営に「マイナス」

2022年06月16日 16:10 / 経営

東京商工リサーチは6月14日、「円安に関するアンケート」調査結果を発表した。

2022年6月1日~9日にインターネットによるアンケート調査を実施し、有効回答5667社を集計、分析した。資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業などを含む)を中小企業と定義。前回調査は、4月19日発表した。

6月のアンケート調査によると、5月上旬の円相場1ドル=130円前後の円安推移で、経営に「マイナス」と回答した企業は全体の約半数の46.7%に達した。6月13日の外国為替市場は一時、1ドル=135円台まで下落した。6月16日13時現在1ドル=134円台となっている。

<円安が経営に「マイナス」と回答した企業は46.7%>
円安が「マイナス」と回答した企業は46.7%
※出典:東京商工リサーチホームページ(以下同)

1ドル=122~124円台で推移した前回調査(4月)では、「マイナス」の回答は39.6%だった。上場主要メーカーの期首想定為替レートは平均1ドル=105.5円で、多くの企業で急激な円安への対応が遅れているという。

規模別では、「マイナス」が中小企業の約5割(48.2%)を占めたのに対し、輸出や海外進出のウエートが大きい大企業は37.7%で、大企業と中小企業の差は10.5ポイントだった。

また、業種別では、アパレル販売の「繊維・衣服等卸売業」(80.3%)と「織物・衣服・身の回り品小売業」(80.0%)で、8割以上の企業が「マイナス」と回答した。「食料品製造業」73.9%(192社中、142社)も大きな影響を受けている。円安による海外からの仕入価格上昇が、輸入依存型の企業の収益を圧迫している。

<業種別ではアパレル販売の8割以上が「マイナス」>
業種別ではアパレル販売の8割以上が「マイナス」

一方、「プラス」と回答した業種で、最も高かったのは「業務用機械器具製造業」の16.0%(50社中、8社)。次いで、「情報通信機械器具製造業」14.8%(27社中、4社)、「輸送用機械器具製造業」11.5%(78社中、9社)の順となっている。

輸出関連の製造業を中心に「プラス」の影響もみられるが、円安は原材料の輸入価格の上昇につながることもあって、構成比では全業種で2割を下回った。

さらに、望ましい円相場について、2980社から回答を得ており、最多レンジは、「110円以上115円未満」の39.3%(1174社)だった。

前回調査(4月)でも同レンジが最多の42.5%だった。急激な円安進行が止まらず、実態と15円以上懸け離れた1ドル=110円台前半を望ましいとする企業の割合は低下した。

1ドル=115円以上の為替相場を望ましいとする企業は41.9%(1249社)で、前回調査の26.6%を15.3ポイント上回った。上昇幅では「120円以上125円未満」(16.4%)は、前回調査から8.2ポイント増、「115円以上120円未満」(22.0%)は6.4ポイント増となっている。

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