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セブン&アイ/グループ初のセントラルキッチン「Peace Deli千葉キッチン」稼働開始

2024年02月21日 19:07 / 経営

セブン&アイ・ホールディングスイトーヨーカ堂の子会社であるPeace Deli(ピースデリ)は2月27日、セブン&アイグループ初の共通セントラルキッチン「Peace Deli千葉キッチン」(千葉県千葉市)の稼働を開始する。グループ戦略の一環であるグループ食品戦略を推進するにあたり、グループシナジー3.0の具体的施策として、イトーヨーカドーの首都圏約200店舗に向けて商品を供給する。

<Peace Deli千葉キッチン>

21日、Peace Deli千葉キッチンで開催した記者説明会で、イトーヨーカ堂の山本哲也社長は、「イトーヨーカ堂を中心とするスーパーストア(SST)事業の構造改革では、食と首都圏にフォーカスしている。事業領域とエリアを明確にすることで選択と集中をしている。そこで一番の武器になるのが、ピースデリ千葉キッチンであり、インフラの整備だ。共通インフラを活用することで、(2026年2月期までに)現在の食品内の惣菜の売上構成比13%を15%に引き上げたい。また、新しい顧客を取り込むことで客数の4%をアップを目標としている」と述べた。

セブン&アイHDの石橋誠一郎常務執行役員は、「グループとして、食を中心とした世界トップクラスのリテールグループになるためには、国内において、コンビニ(CVS)事業とSST事業がしっかりと連携する必要がある。SST事業が成長するパーツとして、専用インフラであるプロセスセンターとセントラルキッチンが必要となっている。HDとして、しっかりとサポートする体制を築き上げていく。一番の強みはマーチャンダイジングにあり、グループを連携して商品開発することで、今までの世の中にない商品サービスを実現する。そして、店舗の買物の体験価値を向上させる」と話した。

千葉キッチンの稼働にあたり、Peace Deliの和瀬田純子社長は、「日本一の惣菜工場にしたい。それは規模ではなく、一番おいしいものを作る意味です。やっぱり働く人が気持ちよく働ける工場にしたい」と意気込みを語った。

<和瀬田社長(左)、山本社長(中央)、石橋常務(右)>

「Peace Deli千葉キッチン」は惣菜・ミールキット等の製造を行うセントラルキッチンと精肉の加工を行うプロセスセンターの機能を併せ持つ食品製造工場。でき立て・作り立てという店内調理の長所も守りつつ、店内加工の機能の一部をセンター化することで店舗オペレーションにおける生産性向上と同時に、従来は難しかった季節に合わせたタイムリーな惣菜の商品開発が可能となる。

プロセスセンターで加工した肉・魚を使用した惣菜は、セブンプレミアムの製造ノウハウや、グループのヨークベニマルの知見を生かし、素材本来のおいしさを最大限に引き出したこだわりの商品開発を目指す。商品の原材料調達から生産、品質管理、出荷、販売の製販一体の体制、グループの商品開発力を活かし、差別化された高品質・高鮮度のオリジナル商品を各店舗に効率よく安定供給し、食のSPA化を推進する。

また、同工場では今後、セブン‐イレブン店舗への商品供給や、イトーヨーカドーネットスーパー専用商品の開発なども予定している。セブン&アイグループの食の共通インフラのさらなる強化により、首都圏SST事業の成長戦略の推進とグループ各店舗の生産性向上による利益面での貢献、顧客の利便性の向上や食における新たなニーズ対応など、食品領域におけるグループシナジーへ挑戦するという。

■Peace Deli千葉キッチン
所在地:千葉県千葉市緑区誉田町2ー28-100
敷地面積:約3万2988m2
延床面積:約2万928m2
事業内容:惣菜製造、精肉の加工、ミールキットの製造等

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