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セブン&アイ/首都圏200店に供給「Peace Deli千葉キッチン」公開

2024年02月22日 14:05 / 経営

セブン&アイ・ホールディングスは2月21日、千葉県千葉市に設立したセブン&アイグループ初の共通セントラルキッチン「Peace Deli千葉キッチン」の記者説明会を開催し、施設を公開した。

<Peace Deli千葉キッチン>

グループ戦略の一環であるグループ食品戦略を推進するにあたり、グループシナジー3.0の具体的施策として、イトーヨーカドーの首都圏約200店舗に向けて商品を供給する。「シナジー1.0」は、セブンプレミアムなどのグループ共通商品の展開であり、「シナジー2.0」は、商品、サービス、事例を互いに導入する取り組み、「シナジー3.0」は、プロセスセンターやセントラルキッチンなどグループ共有インフラの準備・稼働の取り組みと位置付けている。

<惣菜キッチンの野菜洗浄機>

「セントラルキッチン」は、飲食店やスーパーなど複数の場所で提供する惣菜などの製造や調理を一括して行う施設。また、「プロセスセンター」は、肉や魚などの生鮮食品の加工・包装を一括して行う施設を意味する。「Peace Deli千葉キッチン」は、惣菜・ミールキット等の製造を行うセントラルキッチンと精肉の加工を行うプロセスセンターの機能を併せ持つ食品製造工場となっている。

<野菜洗浄室の脱水機>

工場の最大生産能力は、1日あたり、精肉5万パック、惣菜15万パックとなっている。でき立て・つくり立てという店内調理の長所も守りつつ、店内加工の機能の一部をセンター化することで店舗オペレーションにおける生産性向上と同時に、従来は難しかった季節に合わせたタイムリーな惣菜の商品開発を実現する。

<じゃがいもを蒸す工程>

プロセスセンターで加工した肉・魚を使用した惣菜は、セブンプレミアムの製造ノウハウや、グループのヨークベニマルの知見を生かし、素材本来のおいしさを最大限に引き出したこだわりの商品開発を目指す。

<じゃがいもを冷却する機械>

1階の惣菜製造のセントラルキッチンでは毎日美味しく食べてもらう事を目的に、自社で毎日出汁を取り、食品添加物は極力削減する事で素材本来の味を引き出す調味調理を行う。

<出汁を採る機械>

2階の精肉加工のプロセスセンターでは豚肉・鶏肉などを5℃管理下で製造する事で鮮度にこだわった精肉を供給する。

<ひき肉の製造ライン>

セントラルキッチンとプロセスセンターが併設されている強みを活かした商品開発を進める事が可能になったほか、惣菜で使用する肉の加工を2階で実施、味付け肉のたれを1階で製造する等原材料の相互供給が可能となったことで、品質向上・コスト削減の効果を見込んでいる。

<炒め物のライン>

工場で生産する「生姜醤油香る!鶏もも唐揚げ」100gあたり税込246円は、素材を活かした生姜仕立ての醤油唐揚げで、食べ応えのある大切り肉を使用した。こだわりの3種の醤油に生姜、玉ねぎ、ワインをブレンドしたオリジナルタレで漬込み、店舗に供給する。店舗では、揚げる作業のみを行い作業効率の改善につなげている。

<から揚げの製造ライン>

また、「絶品!自慢のポテトサラダ」Mサイズ213円は、北海道産を中心に季節毎にポテトサラダに最適な国産じゃが芋を選定して使用。素材の美味しさを一番に感じられる調理調味でシンプルな味わいに仕立てた。

アーム型の撹拌機でじゃがいもと野菜を混ぜ込んでいる。

<アーム型の攪拌機>

「北海道男爵のコロッケ各種」1個108円は、北海道男爵いもを使用し、素材の美味しさを一番に感じられるシンプルな味わいに仕立てた。工場では、冷凍食品として製造し、イトーヨーカドー店内で調理し提供する。牛肉コロッケ、野菜コロッケ、南瓜コロッケの3種類を品ぞろえする。

<コロッケの製造ライン>

「牛肉の旨み!ほっこり肉じゃが」Sサイズ321円は、北海道産真昆布、かつお節、宗田がつお節、さば節の旨み豊かな出汁を使用。牛肉と野菜を煮込んだ煮汁で、じゃがいもを煮込むことで一体感のある味わいに仕上げた。

<餃子の製造ライン>

商品の原材料調達から生産、品質管理、出荷、販売の製販一体の体制、グループの商品開発力を活かし、差別化された高品質・高鮮度のオリジナル商品を各店舗に効率よく安定供給し、食のSPA化を推進する計画だ。

<製造商品の一例>

環境配慮の取り組みとして、工場で使用する電力の約30%を工場屋根に設置した太陽光発電システムから調達する事でCO2を年間で約500トン削減する計画だ。また、工場内で発生する食品残渣はコンポストで堆肥化し、再利用するスキームを確立する。

<工場屋根には太陽光発電システム設置>

さらに、コンプレッサから出る排熱を回収し、熱源として利用する事でCO2を年間で約4tトン削減する効果を見込んでいる。そのほか、加熱調理を行う部屋に「換気天井システム」を導入。同社によると、「センサー監視と組み合わせた換気システムは、大型食品工場としては日本で初の導入」という。

<換気天井システム>

千葉キッチンの稼働にあたり、Peace Deliの和瀬田純子社長は、「日本一の惣菜工場にしたい。それは規模ではなく、一番おいしいものを作る意味です。やっぱり働く人が気持ちよく働ける工場にしたい」と意気込みを語っている。

<工場で働く従業員>

■Peace Deli千葉キッチン
所在地:千葉県千葉市緑区誉田町2ー28-100
敷地面積:約3万2988m2
延床面積:約2万928m2
事業内容:惣菜製造、精肉の加工、ミールキットの製造等

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