三菱食品/三菱商事の完全子会社に、中計目標の前倒し達成へ

2025年05月08日 18:10 / 経営

三菱商事は5月8日、公開買い付け(以下:TOB)により、三菱食品を完全子会社化すると発表した。

公開買い付け期間は5月9日~6月19日。普通株式1株あたり6340円で買い付ける。

買い付け予定数は2171万8995株(下限は710万株、上限なし)。予定数を買い付けた場合の代金は、1376億9800万円。TOB成立後、三菱食品は上場廃止する。

<京谷裕社長>
京谷裕社長

同日開催された決算会見で三菱食品の京谷裕社長は「トランプ大統領と関税の問題、日本国内の少子高齢化による市場の変化など、時代を見通すことが難しくなっている。完全子会社となり、三菱商事と戦略も経営資源も一体化し、この状況に立ち向かっていく。三菱商事のネットワーク、経営資源を最大限活用し、中計『MS Vision 2030』の定量目標を前倒しで実現したい」と説明した。

「MS Vision 2030」では、2030年度の経常利益500億円、配当性向40%以上、ROE10%以上維持を目指している。

また、完全子会社化によるシナジーとして、デジタル活用・協業による食品卸売事業の収益拡大、小売向けPB開発・提案の強化、三菱商事グループのグローバルネットワークを生かした海外低温物流事業の展開、人材育成・人材交流の促進などを見込む。

京谷社長は「データやAIの活用がビジネスに欠かせない時代になっている。メーカー、小売の売り上げアップをサポートするDD(データ×デジタル)マーケティング事業でも、三菱商事のネットワークを生かした協業、事業の成長を期待している」と述べた。

なお、京谷裕社長、田村幸士常務など役員5人は三菱商事に在籍、もしくは過去に在籍していたことから利益相反を排除するため、今回のTOBに関する協議には参加していないという。

三菱食品/英国の日本食輸入卸会社に出資

流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。

メルマガ無料登録はこちら

経営 最新記事

一覧

三菱食品に関する最新ニュース

一覧

三菱商事に関する最新ニュース

一覧

最新ニュース

一覧