セブン&アイ/デイカス体制でコンビニ事業に注力、クシュタール社との協議は継続

2025年03月06日 19:17 / 経営

セブン&アイ・ホールディングスは3月6日、スティーブン・ヘイズ・デイカス氏への社長交代や今後の経営戦略などについて記者会見を行った。

<井阪社長(左)とデイカス氏>
井阪社長(左)とデイカス氏

会見で井阪隆一社長はこれまでを振り返って「総合小売業から転換し、国内のCVS事業にフォーカスした。食を中心とした世界トップクラスのリテールを目指す中で、国内グループ構造の最適化に一定のメドがついた」と退任の理由を述べた。

<井阪社長>
井阪社長

井阪社長は、後任のデイカス氏について「これからのかじ取りをするには最適な人物」と評した。次期社長を選ぶ上で「業界経験」「成長をリードする資質」「卓越したリーダーシップ」の3点を重視して選考したという。「非常に勤勉な人物。これからは彼のケイパビリティを生かして国内外の成長により、株主に還元してほしい」(井阪社長)。

<デイカス氏>
デイカス氏

バトンを受け取ったデイカス氏は「総合小売から食品に特化したグローバルなコンビニチェーンになる重要な転換点。市場シェアを一部失った事実を謙虚に受け止め、ビジネスを元の軌道に戻し、重要なところにフォーカスする」と述べた。今後はコンビニエンスストア事業を強化していく考え。

<井阪社長(左)とデイカス氏>
井阪社長(左)とデイカス氏

井阪社長はコンビニ市場について「国内は競争が激化している。(セブン-イレブンは)これまで総菜やおにぎりが強かったが、ドラッグストアもスーパーマーケットも皆が中食に参入しており、レベルが上がっている。セブンの強さは160工場を持つサプライチェーンネットワーク。このサプライチェーンを生かして海外に展開すると復活できる。食にこだわったグローバルリテーラーとしてやっていってほしい」と語った。

北米のセブン-イレブン事業を担う「7-Eleven,Inc.」については、2026年下半期までのIPOを目指している。今後のアメリカ市場についてデイカス氏は、鍵となるのが「食品」とする。「日本の食品のクオリティをアメリカに持ち込めれば素晴らしいし、非常に大きな成長につながる」(デイカス氏)。

さらにデイカス氏は「フラインチャイズがセブン-イレブンを築いた。彼らが核となる強みだ。従業員の雇用などさまざまな課題に対してより良いサポートをするのが重要になる。今後は加盟店との密な連携が大事」とフランチャイズとの関係について語った。

また、イトーヨーカ堂などスーパーストア事業(SST事業)を担うヨーク・ホールディングスを8147億円で譲渡することに関して、その相手としてベインキャピタルに決めた理由について井阪社長は「前向きで建設的なディスカッションができたことと、経済条件の2点から決めた」と説明した。

なお、セブン&アイではカナダのアリマンタシォン・クシュタール社から受けている買収提案については、今後も特別委員会を中心に継続して協議を続けていく。

セブン&アイ/スティーブン・デイカス氏が社長就任へ、井阪社長は特別顧問に

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