レタス栽培のスタートアップ「スプレッド」/民事再生法の適用申請、負債37億円

2024年08月27日 10:00 / 経営

帝国データバンクによると、スプレッド(京都市下京区)は、8月26日に京都地裁へ民事再生法の適用を申請した。

同社は、2006年1月に設立された施設園芸農業者。京都府亀岡市内に人工光制御型の植物工場(プラント)を建設し、フリルレタスやプリーツレタス、スティックレタスの生産を手がけていた。

製品は外食・中食向けに販売するほか、大手スーパーのOEM商品を生産。LED照明による多段式水耕栽培方式を採用することで無農薬栽培を可能とし、露地栽培品との差別化を図っていた。

2018年11月には京都府木津川市内に開設した「テクノファームけいはんな」が稼働を開始したことで、「亀岡プラント」では日量2万1000株、「テクノファームけいはんな」では同3万株と、国内最大規模の生産能力を持つ生産者となった。2023年9月期には、売上高約19億1400万円を計上していたという。

同社が技術を供与する形でのフランチャイズ事業にも乗り出し、2021年には中部電力などとの合弁会社を立ち上げ、静岡県袋井市内に「テクノファーム袋井」を稼働させていた。

しかし、先行する開発費負担が収益を圧迫し、7期連続で経常赤字を計上していた。

取引金融機関からの借入金のほか、事業会社やエンゼル投資家から総額40億円の資金調達を実施するなどで、資金をつないでいたものの、2024年3月に合弁会社の「テクノファーム袋井」において設備トラブルが発生。また、エネルギー価格高騰の影響で採算が悪化していたことから、同年4月には亀岡プラントでの生産を停止し、資金繰りの見通しが立たなくなり、自主再建を断念した。

負債は2023年9月期末時点で約37億4300万円。

なお、すでに複数社よりスポンサー支援の検討に関する意向が表明されている。

森山水産/民事再生法の適用申請、負債39億円

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