セブン&アイ 決算/3~8月営業収益6.9%減、北米コンビニ事業が苦戦
2025年10月09日 16:00 / 決算
セブン&アイ・ホールディングスが10月9日に発表した2026年2月期第2四半期決算によると、営業収益5兆6166億3700万円(前年同期比6.9%減)、営業利益2083億8800万円(11.4%増)、経常利益1864億3600万円(11.5%増)、親会社に帰属する当期利益1218億200万円(133.1%増)となった。
営業収益は、海外コンビニ事業のガソリン販売単価の下落による売り上げ減少などにより、減収だった。
利益面では、北米事業のコスト削減効果、イトーヨーカ堂の黒字化などにより、増益を確保している。
同日行われた決算会見で、スティーブン・デイカス社長は「上期の営業利益はセブン-イレブンインターナショナル(以下:SEI)が好調だったことに加え、スーパーストア事業が回復した。しかし、セブン‐イレブン・ジャパンの業績が国内市場の厳しさから計画を下回っていることなどから、通期の営業収益、営業利益、経常利益を下方修正する。純利益は100億円上方修正する」と説明した。
また、親会社株主に帰属する中間純利益は、営業利益の増加に加え、イトーヨーカ堂の店舗資産売却に伴う固定資産売却益の計上、前年同期にイトーヨーカドーネットスーパーの事業撤退に伴う関係会社事業関連損失、ニッセンホールディングス株式譲渡に伴う子会社譲渡関連損失を計上したことなどにより、前年同期比約2.3倍となった。
セブン‐イレブン・ジャパン、セブン‐イレブン・沖縄、7-Eleven,Inc.、7-Eleven Stores Pty Ltdにおける加盟店売上を含めた「グループ売上」は、8兆8864億4700万円(4.3%減)。
為替の影響により前年同期と比べ、グループ売上は1385億円、営業収益は1136億円、営業利益は22億円減少した。
国内コンビニエンスストア事業の営業収益は4625億7500万円(前年同期並み)、営業利益は1217億9300万円(4.6%減)。
「商品開発」「プロモーション」「オペレーション」の各機能が三位一体となったマーケティング戦略に取り組み、既存店売上は前年を上回り増収を確保した。
しかし、米などの原材料価格の高騰により荒利率が前年より低下。物価高で販管費も増加し、減益を計上している。
自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は2兆7658億5600万円(1.3%増)だった。
海外コンビニエンスストア事業の営業収益は4兆2211億3000万円(8.5%減)、営業利益は801億3100万円(9.3%増)。
北米事業では、ドルベースの米国内既存店商品売上は前年を下回った。
一方、人件費の適正化などさまざまなコストの削減に加え荒利率が改善したことにより、営業利益(のれん償却前)は1344億2500万円(2.7%増)と増益を確保した。
デイカス社長は「米国では商品の品質と価値上向上を図り、レストランなどへの投資を通じてセブン-イレブンを食の目的地として再定義する。こうした取り組みを通じ、将来の成長に向けた基盤を築いていく」と述べた。
自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は、4兆7858億2700万円(10.2%減)となっている。
7-Eleven International LLCは、既存地域への支援を強化し、各市場の特性に合わせた「食のコンビニ」への転換を進めている。
営業利益(のれん償却前)は104億2400万円(112.3%増)だった。
なお、2024年度に子会社となった7-Eleven Australia(オーストラリア)は、タバコ販売規制強化による売上への影響があるものの、フレッシュフードの商品開発強化と品揃えの拡大により、客数が増加し既存店売上は前年を上回ったという。
スーパーストア事業の営業収益は6894億7800万円(4.8%減)、営業利益は177億600万円(403.8%増)。
イトーヨーカ堂は、昨年までの店舗閉鎖により営業収益は減少したが、既存店売上は前年を上回った。
昨年までの抜本的変革によるさまざまなコストの見直しにより、販管費は大幅に減少。営業利益は106億3000万円(前年同期は19億8800万円の営業損失)と黒字化している。
ヨークベニマルは、既存店売上は前年を上回ったものの、販促費や人件費等の販管費が増加し、営業利益は79億4800万円(14.5%減)。
金融関連事業の営業収益は1091億2800万円(3.7%増)、営業利益は179億5900万円(2.8%増)。
8月末の国内ATM設置台数は2万8201台(前連結会計年度末差236台増)。
預貯金金融機関の取引件数の回復、資金需要増による消費者金融等のノンバンク取引の増加に加え、各種キャッシュレス決済に伴うATMでの現金チャージ取引が高い水準を維持。1日1台当たりのATM平均利用件数は109.4件(前年同期差1.5件増)となった。
通期は、営業収益・営業利益・経常利益を下方修正。親会社に帰属する当期利益を上方修正した。
営業収益は前回予想比1620億円減の10兆5600億円(11.8%減)、営業利益200億円減の4040億円(4.0%減)、経常利益200億円減の3660億円(2.3%減)、親会社に帰属する当期利益は100億円増の2650億円(53.1%増)を見込んでいる。
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